三重県桑名市発! 「妖怪が祀られた神社」

三重県桑名市発! 「妖怪が祀られた神社」
       

 三重県桑名市多度町の多度山(標高403.3m)の麓にある多度大社は、毎年5月4〜5日の多度祭に行われる「上げ馬神事」で知られている。「上げ馬神事」は江戸時代から現在へと受け継がれてきた大祭で、各地区選出された6人の少年が馬に跨って、100m余りの馬場を助走し、境内に造られた高さ約2m余りの急な絶壁を駆け上る勇壮華麗な神事である。昔から上げ馬の上り具合によって農作物の豊凶が占われていたが、現在ではその年の景気を占ったりもする。

 多度大社の本宮には天津彦根命が祀られているが、摂社である一目連神社の祭神は天目一箇命、別名を「一目連」という妖怪だ。一目連は暴風神・雷神としても知られ、一目龍神、多度権現とも呼ばれている。凄まじい風を引き起こして、人を吹き飛ばし、民家をも壊す神として庶民の間では信じられ、恐れられていた。東海地方では突然暴風が吹くことを一目連と呼んでいたという。

 本来、一目連は片目が潰れてしまった龍神と信じられていた。零落した神が妖怪となる説があるが、一目連もその一例でもある。人の力では及ばない自然の脅威を人々は恐れ神や妖怪に仕立てて、その難から逃れる為、古代人は祠や社を築いて祀っていた。

 また、一目連は、昔から伊勢湾を航行する船乗りが多度山の様子から天候の変化を予測したことから生まれた信仰でもあった。多度山は養老山地の南端に位置し、伊勢湾北部周辺の山としては最も伊勢湾から近く、山にかかる霧などの様子から天候の変化の予測に適した山だった。江戸時代、一目連神社では伊勢湾での海難防止の祈願と雨乞いが盛んに行なわれていた。

写真:「多度大社」三重県桑名市多度町多度1681

(皆月斜 山口敏太郎事務所)

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2011年4月28日の社会記事

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