彼女の姿が最後に確認されたのは、2月19日の午後6時頃。家族に「男友達に会いに行く」と言い残し家を出た後、行方が分からなくなっていた。
2月21日には心配したAさんの家族が地元警察に捜索願を提出し、県内全域で警察による捜索が開始された。すると数日後、Aさんの携帯電話から家族や同級生にメールが送られてくる。内容は「心配しないで」「今から帰る」といったものだった。警察は携帯電話のGPSを頼りに所在確認を進めたが、その後Aさんの携帯電話は電源が切られた状態だったため、特定することは出来なかったという。
一方で警察は、2月19日夜にAさんと会っていた南相馬市に住む当時20代の男性Bを特定した。当時AさんはBと交際していたという。
警察による事情聴取でBは「Aさんとは夜に別れた」と話し、事件への関与を否定。しかし、事情聴取から数日後の2月25日、Bは自宅近くの山林で首を吊って自殺した。2月23日には山林近くにある海岸でBのワゴン車が全焼していたという。
Bはなぜ自殺したのだろうか。ワゴン車が燃えた理由も分かっていない。
3月3日からは警察による公開捜査が開始されたが、不運はさらに続く。8日後の3月11日に東日本大震災が発生。捜査は難航を極めた。