【週末美術館】描かれた空白

【週末美術館】描かれた空白
コラージュやグラフィティを駆使し、西洋文化や現代文明に染まらず、作為を排除した絵画を創作する画家・梁銓。一見、「空白」の画面は何も語りかけてはこないが、そこには有の中に無を見出し、空の中に実を見出すような東洋的、仏教的世界が展開する。<a href="http://www.recordchina.co.jp/group/g25637.html">【その他の写真】</a>(Record China)
新奇を尊ぶ現代において、多くの芸術作家はこぞって「非伝統」を打ち出し、それによって刺激や躍動感を表現せんとする。そんな中、白いテープを無数に張りあわせたコラージュ作品群で知られる画家・梁銓(リアン・チュエン)は、作品の作為性をよしとせず、地に足の着いた創作を続けている。時代の潮流を鋭く掴む感覚に優れながら、その潮流に敢えて載らない勇気を持ち合わせている作家である。

梁銓は80年代に、当時としては少数だった海外留学を経験しながらも、西洋文化による洗礼を軽やかに通過し、自身のルーツである中国の伝統文化に価値を見出す。中国文化が重んじる静謐の中にたたずむペーソスを感じたという。色彩や具象物をほぼ失った「空白」の画面は何も語りかけてはこないが、アルカイック・スマイルを浮かべる仏のごとく、やわらかな存在感を主張する。現代文明や消費社会の喧騒から悠然と離脱し、有の中に無を見出し、空の中に実を見出す「禅問答のような絵画」ともいえよう。【その他の写真】

コラージュやグラフィティを駆使したその手法は、デジタルアートの発達した現在においては、懐古的な風合いさえかもし出している。時に、描画中の偶発的な失敗を利用する試みが見られるが、これは抽象表現主義芸術における「アクション・ペインティング(顔料を垂らしたりはたき散らしたりなどする描画法)」の影響もあろう。こうして、創作過程から作為や虚飾を取り除いたがゆえに生まれた気ままさが、優雅な画風にのびやかさを加えている。紙を貼り重ね、その上に顔料を塗り重ねては、また貼り重ねる。そこには、作り手としての喜びと、落書きに興じる幼児のような快楽と、2つのプリミティブな快感が存在する。(文/山上仁奈)

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