是枝監督の映画、何が中国の観客の心を動かすのか?

是枝監督の映画、何が中国の観客の心を動かすのか?
3日、カンヌ国際映画祭でパルムドールを受賞した是枝裕和監督の映画「万引き家族」が中国上映初日を迎えた。写真は17年11月に北京で開かれた「日本映画ウイーク」での是枝監督と任氏。(Record China)
2018年8月3日、カンヌ国際映画祭で最高賞のパルムドールを受賞した是枝裕和監督の映画「万引き家族」が中国上映初日を迎えた。17年の北京国際映画祭では是枝監督の8作品が上映され、チケットの売れ行きはいずれも上々。当時、中国の記者から「これほど人気になっているのはご存知でしたか?」と質問された監督は「本当に知らないので、びっくりしている。ここ数日、中国でとても盛り上がっているようだが、私の作品のどの部分に興味を持ってくれているのか、中国の方に聞いてみたいと思っていた」と答えたのだった。

是枝作品について、中国の日本文化学者、任知(レン・ジー)氏は「多くの中国人が『誰も知らない』で是枝監督を知った。そして、本当の意味で広範にわたる注意を引いたのは『歩いても歩いても』と『そして父になる』の2作品。『歩いても…』では家庭生活と家族愛の探究に重点が置かれ、監督は自身の撮影スタイルを確立した。『そして父になる』は人気俳優の福山雅治氏とタッグを組み、ビジネス的な成功を収めている」と語る。

さらに、任氏は、吉田秋生氏の漫画を原作とする「海街diary」が中国の映画ファンの間で是枝監督の知名度を爆発的に上昇させたと指摘。「万引き家族」については「パルムドール受賞で監督の名声を頂点に押し上げた」と話し、受賞翌月の上海国際映画祭では、チケット1枚を入手するのも困難なほどの人気ぶりだったことに触れた。

では、結局のところ、是枝作品のどのような部分が中国の観客の心を動かしているのだろう?この問いに任氏は「日本の家族の形は複雑化、多様化していて、家族の関係も希薄になっている。都会での生活はプレッシャーが大きく、未婚率や離婚率、失業率は上昇。高齢化や少子化という社会問題も出現し、こうした状況は今の中国と極めてよく似ている。中国は将来的により深刻になるかもしれない」と説明。その上で、「このような社会背景を持つ中国の観客は是枝作品に多くの共通性を見いだしている」との認識を示した。(取材/RR)

●任知
詩人、作家、日本文化学者。著書に「完全治癒系」「東瀛文人風譚」など。近く、「日本平成年代映画」が出版される。

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