<直言!日本と世界の未来>「一帯一路」がとりもつ“深い縁”=習近平主席の欧州訪問に注目=―立石信雄オムロン元会長

マクロン大統領は習主席の訪仏に合わせ、異例にもドイツのメルケル首相、欧州連合(EU)のユンケル欧州委員長を招きパリで4者会談を行った。米国第一主義を掲げるトランプ政権と各分野で溝が深まっている現状を踏まえ、欧州全体として中国と協調していく姿勢を内外に示した格好である。仏大統領府で行われた会談の冒頭、欧州3首脳が習氏をにこやかに出迎えた光景は象徴的だと思う。習氏は、中国とEUの関係強化のために「不信」を乗り越える必要性を説き、4首脳は地球温暖化対策や貿易・投資などにおける多国間主義の重要性を確認した。

トランプ政権のアメリカ・ファースト主義に対抗して、欧州諸国と中国の多国間経済協力が議論されたことになる。欧州諸国にとっては、中国マネーの導入で経済発展と雇用増を期待したいところである。市場は「政経分離」であり、中国マネーの受け入れによって企業業績が改善すれば欧州株の「反発」が期待できるという。

特に「EU離脱」に揺れる英国は対中接近が目立ち、中国製原発の導入が計画されている。南欧諸国では、厳しい構造改革実行という条件つきの国際通貨基金(IMF)援助よりは、当座は「物言わぬ」中国の出資のほうが好ましいと考えているようだ。トランプ政権が地球温暖化対策の枠組み「パリ協定」など多国間の枠組みに背を向けていることも、中国の存在感を高める結果につながっている。

世界は激動し、大きな「地殻変動」が起きている。目を凝らして事態の推移を見ていきたい。
<直言篇85>




■筆者プロフィール:立石信雄
1959年立石電機販売に入社。1965年立石電機(現オムロン株式会社)取締役。1995年代表取締役会長。2003年相談役。 日本経団連・国際労働委員長、海外事業活動関連協議会(CBCC)会長など歴任。SAM「The Taylor Key Award」受賞。同志社大名誉文化博士。中国・北京大、南開大、上海交通大、復旦大などの顧問教授や顧問を務めている。SAM(日本経営近代化協会)名誉会長。エッセイスト。

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