日中は科学研究で積極的な連携を―野依良治(名古屋大学特別教授、科学技術振興機構研究開発戦略センター長)

日中は科学研究で積極的な連携を―野依良治(名古屋大学特別教授、科学技術振興機構研究開発戦略センター長)
日本は生命科学、環境問題など、多くの分野でリーダーを輩出し、ノーベル賞受賞者も毎年のように出している。(Record China)
日本は生命科学、環境問題など、多くの分野でリーダーを輩出し、ノーベル賞受賞者も毎年のように出している。デジタル革命あるいは第4次産業革命と言われるイノベーションの時代を迎えて、これからの科学研究者の使命とは何か、どのような科学研究のあり方が求められているのかを、ノーベル化学賞受賞者である野依良治氏に語っていただいた。(聞き手は『人民日報海外版日本月刊』編集長・蒋豊)

<ノーベル賞受賞の意味>
――野依先生は2001年に化学賞を受賞されましたが、ノーベル賞受賞というのは、科学者、所属大学、ひいては国家にとって、どのような意味を持つのでしょうか。

野依:世界には多くの著名な賞があって、顕彰の趣旨はさまざまです。ノーベル賞は大変に名誉ある賞ですけれども、その1つにすぎません。ただ、ノーベル財団(1900年設立)は、1世紀を越えて、アルフレッド・ノーベルの遺言に忠実であるべく、たゆみない努力を続けてきました。その揺るぎない伝統が、科学の健全な発展を促してきたということは間違いありません。そして、受賞の機会は、国籍を問わず、また有力な大学や研究機関の研究者だけではなく、全ての人に開かれています。また、ノーベル財団では、時代の流行ではなく、独創的な発見や発明を特に評価しているように感じます。これはとても大事なことです。

したがって、国家の話が出ましたけれど、日本も含む多くの国で、報道メディアが大騒ぎをして、国威高揚のために受賞の数を競うことは、好ましくないと思います。確かに受賞者が続けて出るためには、国として一定水準の教育や研究環境を用意しなければなりません。しかし、過度に政治的に、あるいは経済的に圧力をかけると、必ず研究者の自由や研究社会の自律性、あるいは規範をゆがめることになります。ノーベル賞の科学3賞(生理学医学賞、物理学賞、化学賞)について、受賞の歴史を見てみますと、その時代の国力と一定の相関関係はありますが、確固たる因果関係は必ずしもありません。強い国力がなければノーベル賞の機会がないのかというと、そんなことは絶対にありません。

あわせて読みたい

レコードチャイナの記事をもっと見る 2019年6月3日の中国記事

新着トピックス

中国ニュースアクセスランキング

中国ランキングをもっと見る

コメントランキング

コメントランキングをもっと見る

海外の人気のキーワード一覧

新着キーワード一覧

このカテゴリーについて

中国の政治、経済、外交、事件などをお届け中。