
韓国代表チームは中国の北京経由で平壌入りしたが、携帯電話の持ち込みが禁止されたため、北京の韓国大使館に預けた。北朝鮮は韓国の応援団や取材陣の入国も認めなかった。代表チームは平壌での1泊2日間、外部の世界と断絶して過ごしたという。
試合会場の金日成競技場は北の応援団で埋め尽くされると予想されていたが、4万人収容の観客席は無人。無観客試合が淡々と進行した。平壌で2005年に行われたW杯予選のイラン戦で観客の騒動があったため、次の日本戦が国際サッカー協会(FIFA)の指示で無観客だったことがある。しかし、今回のような「自発的」な無観客試合は前代未聞だ。
FIFAのランキングは韓国が37位で北朝鮮は113位。北朝鮮がホームで恥をかく姿を国民に見せないためにそのようにしたとの見方もある。北朝鮮は15日の引き分けを含めて韓国を相手に1勝7敗9分けと劣勢だ。
さらに北朝鮮がテレビの生中継を拒否したため、試合の途中経過などの韓国内への伝達方法も異様だった。平壌にいるキルギス国籍のアジアサッカー連盟(AFC)監督官が携帯電話のメッセンジャーを利用して警告や交代といった試合の状況をマレーシア・クアラルンプールのAFC本部に連絡。AFC本部が再び大韓サッカー協会に伝えて、協会はソーシャル・メディアを通じてファンに知らせた。