
記事が引用した米国の技術ニュースの専門ウェブサイト「ビジネスインサイダー」によると、「今年末までに50種類以上のワクチン候補が「第3相臨床試験(Phase3)」に入っている」という。現在までに、米国のファイザーとモデルナ、英国のアストラゼネカ社とオックスフォード大学の共同開発チーム、ロシアのガマレア研究所などが、それぞれ有効率90%以上のワクチン開発を進めているほか、世界保健機関(WHO)が研究を支援するワクチンが全部で193種類あるという。
ワクチン開発の進展とともにワクチン接種の計画を公開する国も現れており、トランプ政権下でワクチンの早期実用化を進める「ワープ・スピード作戦」の責任者である米食品医薬品局(FDA)のモンセフ・スラウイ氏は、米メディアCNNの番組「ステート・オブ・ザ・ユニオン」で「12月11日か12日に予防接種を開始し、来年5月ごろに全米で70%前後の予防接種率を目指す計画だ」と語った。またスペインのサンチェス首相も22日、主要20カ国・地域(G20)のビデオ首脳会議後の記者会見で「来年1月にワクチン接種プログラムを開始する」と公表したという。
英BBCの報道によると、英国のアストラゼネカは世界各地に向けて30億回分のワクチン生産を準備しており、今年末までに2億回分を生産するという。また、米国のモデルナが2000万回分、米国のファイザーが2021年4~6月までに7億回分のワクチンを準備するとも報じている。AP通信は「これらのワクチンの半分以上を、米国や英国、日本など世界の総人口の13%を占める富裕国がすでに確保している」と伝えた。