中国に数十年ぶりの飢餓、なぜ上海で物資が不足しているのか―米華字メディア
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米華字メディアの多維新聞は19日、「数十年ぶりの飢餓の時、なぜロックダウン下の上海で物資が不足しているのか」と題する記事を掲載した。

記事は、「上海の封鎖が始まると、2500万人の生活物資の供給が大きな問題になった」と指摘し、上海の物資不足の現状とその原因について分析した。

■ロックダウン下での食料問題

記事は、上海市委員会の李強(リー・チアン)書記がある団地を視察する動画がネット上で話題になったことを挙げ、「ある市民は『ロックダウン後、人々の基本的な生活は明らかに影響を受けた。野菜や肉、卵などの生活物資が不足している』と不平を言った。これは、一部の上海の実情を反映している」とした。

その上で、「今回のロックダウンで、多くの上海市民が食料問題に直面している」と指摘。セルフメディアの投稿を引用し、上海市に住む1人の女性の現状を伝えた。

同セルフメディアは、「女性はもう6日もアプリで食べ物を買うことができず、低血糖になっており、2、3日の間、おなかがすいて、全身ふらふらでベッドに横たわっていることしかできなかった。家の食べ物はリンゴ1袋しか残っておらず、これから食べ物が買えるかも全く分からない。これは彼女が人生で初めて経験した“飢饉の瞬間”だった」と説明。また、「この女性は“食べ物争奪”のために、毎日6個の目覚まし時計をかけている」とし、「現在、飢えをしのげる食料を買うことは、彼女の生活で最も重要な任務となっている」と伝えた。

記事は、「多くの上海市民がこの女性のように、食べ物が無いという苦境に直面している」とし、「それぞれ塩、米や麺、果物、野菜などが足りず、互いに足りないものを融通し合うため、上海の一部のコミュニティーでは“物々交換”という原始的な相互援助交換が起こっている」と紹介。「化粧品をオレンジ2個と交換したり、ソーセージをピーマンと交換したり、しょうゆを卵と交換したり、自分のペットの猫を貸して果物と交換したりしている」などの例を挙げた。

また、「自分が買いたい物を買うのではなく、あれば何でも買うため、ロックダウン下にある上海の家庭はみんなこのような苦境に面している」とし、「(現在の上海市民は)たとえ好きな物でなくてもネット上で勝ち取らなければならない。何も手に入らなければ飢えてしまうからだ。上海市民は今、“おなかいっぱい食べる”ことが第一で、“おいしく食べる”ことはそこまで重要でなくなった」とした。さらに、「現在、タバコや酒、茶などの生活必需品でないものはオンラインで購入できず、お金があっても自分が欲しいものを買うことができない。多くの上海家庭が“品切れ”状態にあると言える」と指摘した。

記事は、「中国最大の都市である上海で、多くの人が初めて“食べ物がない”という苦境を経験している。初めて、食べたいものを食べられる喜びを恋しく思い、ロックダウン前の平凡な生活がどんなに幸せだったか理解した。改革開放以来、中国人から数十年間遠ざかっていた“飢餓の危機”を、21世紀の今日にロックダウン下の多くの上海市民は切実に実感している」とした。

■問題はどこから

記事は、「ロックダウン前、上海の2500万人の生活は全くもって正常で、物資には十分な余裕があり、物資不足の問題は一度もなかった。これは市場経済が上海市民のニーズをうまく満たし、中国の豊富な物資が上海のような大都市を完全に養う能力があり、上海には品切れの問題がなかったことを表している」とした。

それにもかかわらず物資不足が起こった原因として、「物資が時間通りに消費者に届けられず、物流が途絶えた」からだとし、「例えば、山東から運ばれた農産物が上海に入るのは難しい。なぜなら、封鎖管理で何回もの検査がある上、上海に入った運転手は、他の省区市に入ることを拒否されるため帰れなくなる可能性があるからだ」と指摘した。

また、「物資を輸送する車両の『通行証』の取得が難しく、上海市内の物流システムが滞っている」ことで、「(市内の)物流能力が著しく減少した」ことも原因の一つとして挙げた。

記事は、「上海には卸売、小売、交通、物流、飲食などのサービスに従事する人員が約390万人いて、2500万人の上海市民の生活サービスを担っており、上海という国際大都市を秩序をもって運営させてきた」とし、「上海が目下の物流問題を解決するためには、本来の人材を動員し、再びその能力を発揮させ、物流の分配管理をきちんとする必要がある。そうすれば、現在の“飢餓の時”から抜け出し、生活物資を時間通りに市民に届け、封鎖された上海の市民におなかいっぱい、しっかりと食べさせることができる。しっかりと食べてこそ、上海市民はより積極的に防疫活動に協力すると信じている」と結んだ。(翻訳・編集/刀禰)