「上海人の我慢は限界」、ロックダウン長期化で市民と当局との対立が尖鋭化―米華字メディア
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2022年4月24日、米華字メディア・多維新聞は、新型コロナ感染拡大を防ぐためのロックダウンが長期化している上海において、官と民の意思疎通が大きな問題点になっていると報じた。

記事は、ロックダウンが始まった3月以降の上海で発生している乱れた秩序の様子をまとめた動画「四月之声」がプラットフォームから相次いで削除されたことが、これまで当局の防疫状況に対してため込んできた市民の怒りの感情に火を着けたとし、新型コロナとの戦いが始まって2年余りがたつ中国において、かつてないほど市民と当局との対立が尖鋭化していると伝えた。

その上で、市民の不満はすでに当局による「動的ゼロコロナ」方針ではなく、これにより生じている物資の配送問題、医療へのアクセス問題が一向に解決されない点に向いていると指摘。解決されていない問題が山積する中で当局に対する失望が高まり、さらにフェイクニュースがネット上に充満している状況に、市民の怒気が高まっているとした。

また「四月之声」が注目を集める以前に、「上海人の忍耐はすでに限界に達した」「上海人の忍耐はまだまだ限界に達していない」という文章がネット上で拡散したことを紹介。正反対のタイトルでありながら、内容は「どうして上海は、いつ終わるとも分からないロックダウンにさらに耐え忍ばないといけないのか」について訴えた内容で、短時間の間で100万回を超える閲覧回数を記録する一方で、「四月之声」と同様に程なく削除されてしまったと伝えている。

記事は、現在の上海が抱えている問題は期限切れの物資や物価のつり上げ、医療アクセスといった市民生活問題と、当局と民間との意思疎通の問題に分けられると説明。「解決して当然」とみなされている行政当局が問題を解決できていない中、セルフメディア上の民衆心理を映し出した文章が次々と削除される状況では、市民の怒りを鎮めることなどできないとした。

そして、世論のコントロールというのは決して簡単な問題ではないとした上で、民衆は決して政府による「大局の安定」志向を全く理解していない訳ではなく、一方で自らの感情も発散したいのだと指摘。問題を解決すると同時に、民衆に国や政府の意向、方針を理解してもらうためには、能力だけでなく官民間の意思疎通が必要であるとし、最後に「各種の書き込みを一方的に消し去ることは、問題解決につながるのか、はたまた問題をさらに上のステージにエスカレートさせてしまうのか」と疑問を投げ掛けた。(翻訳・編集/川尻)