韓国・尹錫悦大統領「北をなだめる時代は終わった」、融和最優先の文在寅政権と一線画す
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韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領は23日、米CNNとのインタビューで、北朝鮮政策について「北をなだめる時代は終わった」と明言した。「対話のボールは金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長の側にある」とも指摘。南北融和を最優先に掲げた文在寅(ムン・ジェイン)政権とは一線を画した。

北朝鮮は今年に入ってから相次いでミサイル発射試験を実施。韓国軍合同参謀本部は25日、北朝鮮が同日朝、首都平壌の順安付近から日本海へ向けて、大陸間弾道ミサイル(ICBM)と推定される1発や短距離弾道ミサイルなど計3発を発射したと明らかにした。金委員長は先月、核戦力の「強化と開発」を可能な限りのハイペースで行うと明言していた。

インタビューで尹大統領は「韓国と同盟国が態勢を整え、北朝鮮のあらゆる挑発行為に対峙(たいじ)する」と強調。「現政権の対処は前政権とは違う。強力かつ断固として対処し、北朝鮮の挑発を阻止する」とした。

リベラル派の前政権が取った融和的戦略に関しては「ただその場しのぎに北朝鮮の挑発や衝突を避けるのはわれわれがするべきことではない」「過去5年にわたるこうした種類のやり方は失敗だったことが証明されている」と指摘した。この発言に関して、朝鮮日報は「いわゆる『対話のための対話』を繰り返す気はないことをはっきりさせたのだ」と解説した。

北との対話をめぐっては「われわれと新たな対話を始めるのは彼(金委員長)の選択に懸かっていること」だとしつつ、北朝鮮の核・ミサイル問題の外交的解決のための扉は開けておくと言及。「われわれは北朝鮮を滅ぼそうとしているわけではなく、韓(朝鮮)半島で共同繁栄を成し遂げることを望む」「北朝鮮の核武装強化は国際平和と繁栄には役に立たないとみられ、現在のような状態を長期的に持続し得るかどうかも疑問」と語った。

さらに尹大統領は米韓首脳会談で正常化を宣言した合同軍事演習は「準備態勢を整えるための軍隊の基本的な義務」と説明。バイデン米大統領が中国包囲網の一環として提唱したインド太平洋経済枠組み(IPEF)への参加が韓国の「国益」になると主張した。

米国との結びつきを強めることで中国の怒りを買うリスクがあるのではないかと問われると、「経済的報復の脅威はない」と断言。「安全保障やテクノロジーで米国との同盟を強化しても、それでわれわれが中国との経済協力を重要視していないということにはならない」と述べ、韓国と中国は相互協力に依存しているとの認識を示した。(編集/日向)