2023年12月6日、仏国際放送局RFIの中国語版サイトは、中国が日本産水産物の輸入全面禁止を継続する中、ベトナムが救いの手を差し伸べる動きを見せていると報じた。

記事は、今年8月に日本で福島第一原発の汚染処理水海洋放出が始まって以降、中国が日本の水産物輸入を全面的に禁止しており、日本の財務省が11月29日に発表した統計では10月に日本から中国に輸出された加工品を除く魚介類の総額が前年同月比94%減の4億204万円となり、中国税関総署も同18日に10月の日本からの水産物輸入額が同99.3%減少した発表したことを紹介した。

そして、海洋放出以前は中国本土が日本の水産物にとって最大の輸出先であったほか、中国国内での消費に加えて、ホタテなどは殻むきなどの加工を経て欧米などに再輸出され、日本から中国への一連の産業チェーンが形成されていたため、中国による輸入禁止措置は日本の水産業界に大きな打撃を与えたと紹介。日本国内では市場の飽和や高い人件費などにより販路の早期開拓や新たな産業チェーンの構築が困難であるため、政府が東南アジア諸国などに水産物輸入の増加や新たな産業チェーン構築を働きかけているとした。

その上で、このような状況の中、社会主義国でありながら中国や北朝鮮とは異なり国際原子力機関(IAEA)による日本の処理水海洋放出評価作業に参加したベトナムが日本に救いの手を差し伸べていると紹介。日本貿易振興機構(ジェトロ)が11月3日にベトナムの首都ハノイで北海道産ホタテなど日本の水産物をPRするイベントを開催した際、ベトナムのグエン・チー・ズン計画投資相が「応援」に駆けつけ、日本産ホタテのバター焼きを頬張り「日本食が好きだ。ホタテもとてもおいしい」と自らPRを買って出る一幕があったことを伝えた。

また、同21日~23日にハノイで開催された食品展示会でもジェトロが「ジャパンパビリオン」を設置し、各地の水産物や加工食品など150種類以上の商品を来場者に紹介したと紹介するとともに、日本政府が12月1日、日本の水産物に対するベトナムの好意や消費市場、労働市場の状況を考慮し、新たな輸出ルートを構築するため、ベトナムでホタテの殻むき業者を募集すると発表し、農林水産省も今月上旬から現地視察や商談のためにベトナムに渡航する日本からの事業者の募集を開始したとしている。

記事は、ジェトロのハノイ事務所によると、ベトナムには日本食レストランが2500店あり、8年間で3倍に増えたと紹介。同事務所の中島丈雄所長が「ベトナムは日本食品にとって非常に重要な市場の一つ」と述べ、販路開拓のための官民連携の重要性を強調したことを伝えた。(翻訳・編集/川尻)