中国で子どもたちを中心に呼吸器系疾患の患者が急増している。世界保健機関(WHO)によると、中国保健当局は今のところ異常、ないし新規の病原体は検知していない。

ロイター通信は専門家の「パニックになる必要はない。現時点で過度な懸念は不要」との見方を伝えた。

ロイター通信によると、中国では昨年12月にゼロコロナ政策を解除して以来、初めてフルシーズンの冬を迎える中で、呼吸器疾患が増えている。一部のソーシャルメディアユーザーは、子どもたちが病院で点滴を受けている写真を投稿。西安など北西部の幾つかの都市では混雑する病院の動画が報道され、医療システムひっ迫への懸念が高まった。

これまでに得られたデータからは患者数増加がゼロコロナ政策解除と5月以降に流行しているマイコプラズマ肺炎など既知の病原体との間に因果関係があることを示唆している。

この肺炎は、特に子どもがかかりやすい。 10月以降はインフルエンザやRSVウイルス、アデノウイルスなどが流行している。

一つ気掛かりなのはマイコプラズマ肺炎の急増で、これは他国も同様の傾向にある。WHOで新型コロナウイルスの技術責任者を務めるマリア・バンケルコフ氏は11月29日の記者会見で「マイコプラズマ肺炎はWHOに対する報告義務はなく、過去数カ月間で増えたが、現在は減少しているもようだ」と述べた。

同氏は「われわれは自分たちが中国に持つ臨床ネットワークを通じて、世界全体、特に西太平洋と東南アジアで問題になっている抗生物質への耐性をめぐる理解を深めるため、状況を追跡的に調査している」と指摘。ニューデリーのジャワハーラル・ネルー大学の疫学者は「マイコプラズマ肺炎が引き起こす感染症で一部重篤化するケースはあるが、大半の患者は抗生物質なしで回復する」との考えを示した

中国の医師や海外の専門家は、現在の状況をそれほど深く懸念していない。

他の多くの国でも、新型コロナウイルス対策の規制緩和後、呼吸器疾患が同じように増えているからだ。

北京のラッフルズ・メディカル・グループのセシール・ブリオン氏は「われわれが目にしているのは現時点ではごく普通の事例にすぎない。なぜなら従来と変わらないせきや熱などの症状が出ているからで、治療可能なのは良いことだ」と語った。

WHOのバンケルコフ氏も「患者増加は想定されていた」と言及。「世界中で呼吸器の感染症が増えている」とも述べ、「北半球では冬に入ろうとしているので、学童の感染が増える傾向にある」と説明した。(編集/日向)