大韓民国核戦略フォーラム(ROKFNS)のキム・ユルゴック事務局長はこのほど、米国メディアのナショナル・インタレストを通じて、韓国は人口の急減のために、北朝鮮に対抗する国防力の維持が困難になると指摘する文章を発表した。ROKFNSは、韓国は北朝鮮に対抗できる核兵器を保有すべきと主張する非営利活動団体で、キム事務局長は文中で、韓国は核武装が必要と改めて主張した。

以下はキム事務局長の文章の主要部分要約だ。

韓国人口が北朝鮮より急速に減少することが軍事に影響

韓国の2023年の出生率は、経済協力開発機構(OECD)諸国の中での過去最低を記録した。この傾向が続けば、現在は約5200万人の韓国の人口は2070年には3800万人にまで減少する。しかもその多くが65歳を超える高齢者になる。しかし、政府内では、国家の安全保障の観点から人口減少の問題を見ていない人が多い。出生率の低下は社会と経済の問題とだけ認識されている。

韓国では20歳に達した徴兵対象の人口が、22年には33万人だったが、39年には18万6000人にまで落ち込む見通しだ。

人口の急減に伴う問題の緩和策としては、移民を寛容に受け入れる政策がある。しかし欧州での移民政策の失敗により、韓国国民の間では、移民に対する懸念と否定の感情が強まっている。

人口減と高齢化に手をこまねいていれば、経済や社会で活発に活動する世代の人口は激減し、軍事費や国防の研究開発費に投じられる予算は減少する。韓国では無人兵器などが重視されている。しかし、無人兵器は人口減を補完する手段にはなるが、人口減の影響をなくすことはできない。韓国国防研究院は、新しい防衛システムを構築しても、使用するための訓練や維持に人手が必要になるので、差し引きすれば総兵力の10%分しか代替できないと試算している。

韓国にとってさらに脅威なのは、北朝鮮の出生率が韓国よりも高い事だ。北朝鮮の人口は2600万人程度で、韓国よりもかなり少ないが、出生数は韓国とほぼ同じになった。また北朝鮮も徴兵制を採用しているが、兵役に就かねばならない期間は韓国よりも長い。北朝鮮軍は食料や訓練が不足しており、質の高い軍備を手に入れることも困難だ。しかしそれでも、韓国にとっては北朝鮮よりも急速に、動員可能な兵力が減少することは大問題だ。さらに、北朝鮮はすでに核兵器を保有している。

韓国の兵力を維持するためには、女性にも兵役を課す方法がある。移民を受け入れて、その移民にも兵役を課す方法もある。しかしそのような政策については激しい議論が発生することが必至で、すぐに実行できるわけではない。

状況の打開には核兵器保有が有効、米国も認めねばならない

状況を打開する一策が核兵器の保有だ。核兵器を保有しても人口減にともなう軍事面への影響をすべて解決することはできないが、50発程度の核兵器を保有すれば、問題解決に役立つ可能性がある。

ロシアなどは、核兵器が費用対効果の高い抑止力と強力な政治的軍事力を持つことを証明してきた。

敵の侵略を阻止するのに十分な量の小型核兵器庫は、韓国政府にとって、人口減少に起因する問題に効果的に対処するための、安全保障上の魅力的な選択肢になるかもしれない。

米国は韓国に、安全保障分野でより多く負担し、インド太平洋問題にも参加することを求めるようになった。米国は、自らを守りつつ同盟を積極的に支えるために、韓国が最低限の核兵器を保有することを容認せねばならない。(翻訳・編集/如月隼人)