2024年1月28日、韓国・聯合ニュースは「人口10万人当りの自殺者数が経済協力開発機構(OECD)加盟国で不動の1位を記録する韓国のメンタルヘルス危機について米国の有名心理研究者が語った動画が話題となっている」と伝えた。

「その『決断』がすべてを解決する」などを執筆したベストセラー作家でインフルエンサーのマーク・マンソン氏が先ごろ、自身のYouTubeチャンネルに「世界で最も憂鬱(ゆううつ)な国を旅した」とのタイトルで約24分の動画を投稿した。

動画の中でマンソン氏は、「韓国のメンタルヘルス危機を理解するには、1990年代の人気ビデオゲーム、スタークラフトにさかのぼる必要がある」とし、このときに得られた成功公式がその後いくつもの産業に複製されたことに注目すべきだと語っている。例として、K-POPスターやスポーツ選手が幼いうちから合宿生活を送っていることなどに触れ、「もっと上達せよと強要し、優秀な結果を出すために社会的圧力を加え競争させることは効果的な公式だと立証されたが、心理的な落ち込みを招いた」と指摘した。

また、幼稚園から始まる入試戦争、度を過ぎた圧迫的文化の形成、韓国人の完璧主義的な性向を理解するには、「韓国の歴史、特に北朝鮮との対立を理解する必要がある」と指摘。20世紀の韓国経済の奇跡は、「野心や選択の問題ではなく、生存の問題だった」と分析している。人口の15%の命を奪った残酷な戦争を経て、韓国は北朝鮮リスクの下で可能な限り早く発展するしかなかった。そのために政府が導入した過酷な教育体系は、韓国の若者たちに大変な負担を課すことになったとの説明だ。

結果、経済は成長したが、「みんなのために自らを犠牲にすることを強要する儒教文化が根深いことも、社会的孤立と孤独を深めた」としている。韓国人は儒教的な基準で常に評価されながら、個人的な成果を出すことも強要されていることが問題だと指摘。「韓国は不幸にも儒教の最も悪い部分を残し、最も良い部分である家族・地域社会との親密感は捨ててしまったようだ」と述べている。

また、「資本主義の最悪の側面である物質主義と生活費問題を抱え、最も良い面である自己実現と個人主義は無視した」とし、「このような矛盾した価値観の組み合わせが大きなストレスと絶望につながるのでは」との見方を示した。

ただマンソン氏は、「自分が出会った韓国人はそうした問題を隠すどころか、積極的に認め、解決策を見いだそうとしていた」「世界に類を見ない、こうした回復力(resilience)こそ、韓国の本当のスーパーパワーと言える」とも評価している。

この記事に、韓国のネットユーザーからは「韓国は生きづらい国だ。

それは確かだよ」「とても的を射た分析だと思う」「憂鬱で悲しい気分なのがデフォルトになって、それを解消するために他人をおとしめようと必死な社会に変わっていっているようだ。悲しいことだね」「他人が持っているものは自分も持たないと気が済まない、外見だけで評価する。韓国人は自分から不幸な人生を作り出し、自分から憂鬱になっている」「スタークラフト前からこういう社会だったよ。朝鮮戦争後の復興期からじゃないか」「この国には資源がないことも看過できない。人的資源にオールインするしかないから教育熱が過剰になり、競争も激しくなる。それがこの国を発展させる原動力だけど、一方で憂鬱の根源でもある」などのコメントが寄せられている。
(翻訳・編集/麻江)