2024年2月3日、独国際放送局ドイチェ・ヴェレの中国語版サイトは、北朝鮮産原料を用いたつけまつげが「中国製」として西側諸国で多数販売されており、金正恩(キム・ジョンウン)氏の資金源になっていると報じた。

記事は、北朝鮮産原料によるつけまつげの加工と包装が隣国の中国で公然と行われているとし、英ロイターが業界関係者や北朝鮮経済専門家20人にインタビューしたところ「中国企業が北朝鮮から半完成品を輸入して加工し、中国製品として欧米諸国や日本、韓国などに輸出している」ことが明らかになったと伝えた。

そして、北朝鮮は以前よりウイッグやつけまつげなどの主要輸出国だったものの、20年の新型コロナ感染拡大で国境を封鎖したことで輸出量が激減したことを紹介。感染が収束した23年になると中国への大規模な輸出が復活し、年間輸出量が1680トンとコロナ前だった19年の1829トンに近い水準にまで回復したほか、輸出額は1億6700万ドル(約248億円)で19年の3100万ドル(約46億円)より大幅に増えており、コロナ期間を経て北朝鮮産つけまつげの価値が一気に高まったことを伝えている。

また、北朝鮮から中国へのつけまつげ半完成品輸出が国際法に抵触するのではないかとの声について「安保理は06年以降約10件の対北朝鮮制裁決議を可決し、核兵器開発につながる石炭や紡績品、石油などの製品の貿易について規制した一方で、毛髪製品に対する直接的な禁止事項はなく、つけまつげの貿易は国際法違反とは言い切れない」と解説した。

記事は、中国の業界関係者の話として、中国のメーカーは2000年代初頭から北朝鮮のつけまつげ工場と提携を開始していること、労働力コストが低い一方で製品の品質が高いことを紹介。つけまつげの生産が盛んな中国山東省平度市では材料や半完成品の80%を北朝鮮から仕入れているとした。さらに、遼寧省丹東市からつけまつげ製品を輸入する韓国人業者が「製品は北朝鮮の労働者が製造しており、中国で包装後に現地や日本などで販売されている」と語り、法律専門家が「北朝鮮が原産国とみなされれば韓国では処罰の対象になるが、把握できるサプライチェーンの状況では北朝鮮を原産国とは判断するまでに至らない」との見解を示したことを伝えている。

さらに、新型コロナによる国境封鎖で北朝鮮産つけまつげのサプライチェーンにおける大きな存在感が一層際立つ結果になったとして、韓国のつけまつげブランドCEOが「北朝鮮製以外のサンプルを受け取った時に、これでは駄目だ、品質がぜんぜん違うと思い知らされた」と語ったことを紹介した。(翻訳・編集/川尻)