北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長は「大韓民国が『徹頭徹尾第一の敵対国、不変の主敵』であり、『統一』『和解』『同族』という概念自体を完全に除去しなければならない」と明言した。韓国紙は「北朝鮮の『別れる決心』を認めよう」と提唱。

「共存とその後を見据えた現実主義を」と訴えた。

左派系のハンギョレ新聞が国際問題専門記者名のコラムで、北朝鮮の方針転換の大きなきっかっけとしたのは、昨年9月の金国務委員長のロシア訪問とロシアのプーチン大統領との首脳会談。

この中では「北朝鮮の別れる決心は、ウクライナ戦争をきっかけとする国際情勢の変化が背景にある」と前置き。「1990年代以降の北朝鮮・中国・ロシアの北方三角関係において、最も重要な変曲点だった。北朝鮮はロシアとの戦略的関係の再構築によって、軍事的にだけでなく、経済的にも新たな空間を切り開いた」と述べた。

コラムは「北朝鮮は中国とロシアが追求する多極化体制において重要な一員に浮上した。

北朝鮮は米国や日本などに関係改善を泣訴した蚊帳の外の境遇から抜け出した。北朝鮮が韓国と別れる決心をし、米国との対話にこだわらなくなったのは、このような背景からだ」と分析した。

続いて「韓国と北朝鮮は事実、国際社会における厳然たる主権国家だ」と説明。「韓国も北朝鮮も1972年の7・4共同声明以降、互いを国家として認定し、共存を追求してきた。ただし、統一されることもありうるという特殊な関係として相互を規定した。北朝鮮はすでに韓国や米国と取引をする利点はないと判断し、実際にそのような状況でもある。

北朝鮮が韓国と戦争する決心ではなく別れる決心をするのであれば、もはやこれを認めるしかない」と断じた。

さらに「北朝鮮の別れる決心は詳細に見てみると、二つのコリアという現実を公式化しただけのことだ」と指摘。「進歩陣営の民族統一論や保守陣営の反共統一はいずれも、いつからか現実味に欠けた理想主義にすぎないものとなった。北朝鮮は生存のためにもがく国家であり、韓国はそのような北朝鮮という国家といかなる関係を結ぶべきかを熟考しなければならない」と論じた。

その上で「答えは韓国と北朝鮮の国家関係を認める現実主義に立脚し、朝鮮半島とその周辺の勢力均衡に焦点を合わせなければならないということだ」と強調。「これは南北の和解や統一をあきらめるということではない。

むしろ、韓国と北朝鮮の共存とその後を見据える現実主義だ」と主張した。(編集/日向)