日本の国会に相当する中国の全国人民代表大会(全人代)が3月5日から北京で開かれるのを前に31の省・自治区・直轄市はすでに2024年の経済成長目標を設定、と中国メディアが報じた。各地のGDP(国内総生産)目標は大多数が5%以上。

「イノベーション(技術革新)」を中心に新たな成長動力を引き出すことが計画の重点任務となっている。

AFP通信が紹介した中国通信社(CNS)の記事によると、海南省とチベット自治区は24年の成長率の目標を約8%に設定し、全国で最も高い目標を掲げている。

そのカギとなる実現方法については中央経済工作会議の采配に従い、「科学技術イノベーションによる現代化産業体系の建設のけん引」が重点任務の先頭に置かれている。工作会議では科学技術イノベーションによる産業イノベーションの推進を訴え、特に破壊的技術と先端技術による新産業、新モデル、新原動力の発展および新たな質の生産力の発展の推進を強調している。

各地で打ち出された24年の具体的な計画はこの要求と密接に関連。「イノベーション」を前面に打ち出し、科学技術イノベーションという視点をしっかりと捉え、新たな質の生産力の形成に注力している。

未来産業の配置に関しては積極的に発展させることは科学技術の進歩をリードして産業の高度化を促進し、新たな質の生産力を育成する戦略的選択となっている。未来産業の先導地区の構築は、多くの省が競って取り組む「先手」の一つだ。

新たなルートの開拓は北京市が量子、ライフサイエンス、6Gなどの未来産業を提案している。江蘇省は未来ネットワーク、量子、ライフサイエンス、水素エネルギーと新型エネルギー貯蔵、深海・深地球・深宇宙などの産業の新たなルートの開拓を明確にしている。

重要技術のブレークスルーも目標とされている。湖北省は高性能AIチップ、インテリジェント数値制御(NC)工作機械、ハイエンド医療機器などのテクノロジーの飛躍的な前進を目指し、力を注ぐこととしている。

生合成、宇宙技術などの1000億クラスの科学技術イノベーションの起爆剤も先見的に計画し、イノベーション競争での優位なポジショ二ングの構築を提案している。北京市は集積回路(IC)の大規模プロジェクトを加速し、光電集積、チップレット技術などの分野でのさらなる突破を目指している。

CNSは「24年は中国経済が持続的に回復し、高品質な発展を実現するための重要な年となる」と指摘。「各省は新たな質の生産力を目指し、科学技術イノベーションをけん引役とし、新たな原動力を引き出し、経済の高品質な発展を新たな段階に引き上げるための努力を続けている」と伝えた。(編集/日向)