2024年2月28日、香港メディア・香港01は、世界の軍事費が「GDP(国内総生産)の2%」を目標として増え続けている背景について論じた記事を掲載した。

記事は、英国際戦略研究所(IISS)が先日発表した報告書で、世界の軍事費が2023年に前年比9%増の2兆2000億ドル(約330兆円)に達し、24年も過去最高の伸びを記録する見込みであることを明らかにしたと紹介。

中でもNATO諸国では軍事費をGDPの2%分確保する「2%現象」が顕著で、24年には加盟18カ国がこの目標を達成する可能性があると伝えた。

また、GDP比3%以上の軍事費を維持し大差をつけて世界トップの軍事費を誇る米国が、24会計年度の国防予算を前年度比300億ドル(約4兆5000億円)多い過去最高の8860億米ドル(約133兆円)としているほか、日本は27年までに防衛費を倍増させて対GDP2%を達成する計画で、韓国も今後5年間で軍事費に約2700億米ドル(約40兆円)を支出する計画を発表、オーストラリアはも26年までに国防費をGDPの2%以上にする計画に加え、「第2次世界大戦後最大の艦船群」建造のために、今後10年間で111億豪ドル(約1兆800億円)の国防費を追加することを発表したと紹介している。

その上で、世界の軍事費を取り巻く「対GDP比2%現象」は、世界中にまん延する不安感を反映していると指摘。地政学的な不安定さと大国間の競争の結果、安全保障を「貴重な資源」とみなし、武力を高めて自国の安全を確保しようとする国が増えていると分析した。また、大国間の競争が激しさを増す中、世界の覇権を維持するため、米国が国防投資を増やし続けると同時に同盟国にも積極的に防衛責任を分担するよう促しており、日本、韓国、オーストラリアなど主要な同盟国に対して「2%」を目標に国防費を拡大するよう扇動しているとした。

記事は、ウクライナ危機やイスラエル・パレスチナ紛争などの地政学的紛争が頻発し、大国間の競争が一層激しくなることで、国防需要は今後かつてないほど高まり、軍事費も増加するはずだと予測。

一方で、軍事費の不合理な増加は、再び世界的な軍拡競争を引き起こすだけでなく、各国間の不信や陣営間の対立を深め、すでに危機的な地政学的状況を一層悪化させるだろうとも指摘した。さらに、軍事費の増加により各国が経済発展や社会福祉、貧困の削減、気候変動といった問題への投資を減らす危険性もあるとした。

そして「世界各国は、共通で包括的、協力的かつ持続可能な安全保障の枠組みを打ち出し恒久的な平和と普遍的な安全保障の世界を築くために協力すべきである」と結んでいる。(翻訳・編集/川尻)