中国生態環境部の趙英民副部長はこのほど、国務院新聞(報道)弁公室の定例ブリーフィングで、全国炭素排出権取引市場は始動以来、平穏を維持し、出来高は2023年末時点で累計4億4000万トン、取引金額は249億元(約5000億円)に上ったと明らかにした。国営新華社通信が伝えた。

石炭火力発電所などが多い中国は世界最大の二酸化炭素(CO2)排出国。習近平国家主席は2020年9月の国連総会で、「中国は30年までにCO2排出をピークアウトさせ、60年までにカーボンニュートラルを達成する」と表明した。

21年3月の全国人民代表大会(全人代)での政府活動報告では、カーボンピークアウトとカーボンニュートラルの各活動を着実に実施し、30年までのカーボンピークアウトに向かう行動プラン(アクションプラン)を策定することが初めて政府の重要任務として取り上げられた。

炭素排出権取引市場はその取り組みの一環。13年6月を皮切りに中国の7省・市(北京市、天津市、上海市、広東省、広東省深セン市、湖北省、重慶市)の省市炭素排出権パイロット取引所で、順を追って取引が開始された。その後、福建省、四川省の2省にもパイロット取引所が設置された。

パイロット取引所での経験も踏まえて、21年7月からは全国炭素排出権取引制度が正式に運用を開始した。全国版もパイロット取引所と同様のスタイルで、政府が重点排出事業者に指定した発電事業者が政府によって義務的に割り当てられた炭素排出枠を取引する。

趙副部長によると、中国の炭素市場はコンプライアンス市場の全国炭素排出権取引市場とボランタリー市場の全国温室効果ガス自主的排出削減取引市場で構成される。二つの市場はそれぞれの重点を持ち、独立した運営を維持するとともに、相互接続を実現し、共同で炭素市場体系を形成している。

全国炭素排出権取引市場はこれまでに2回の契約履行期間を終え、想定されていた目標を達成した。取引対象となるCO2は現時点で年間約51億トンに上り、重点排出事業者2257社が参加し、取引対象の温室効果ガス排出量が世界最大の炭素市場となっている。

同市場は本格始動から2年半、全体的に平穏な動きを維持した。制度の充実が進み、市場が活発さを増し、炭素排出データの質が全面的に改善され、排出管理機能が大幅に向上し、価格発見機能が発達しつつある。第2回契約履行期間(21年と22年)の出来高は第1回(19~20年)より19%増え、取引金額は89%増加した。

取引価格は全体的に上昇傾向にあり、取引開始当初の1トン当たり48元から80元前後に上がった。第2回契約履行期間では企業の意欲が高まり、取引に参加した企業は総数の82%と、割合が第1回より50%近く上昇したという。(編集/日向)