華為技術(ファーウェイ)は18日、中国国内でスマートフォン「Pura 70」シリーズを発売した。2012年に発売した「Pシリーズ」の後継シリーズで、同社のスマートフォンは今後、PuraシリーズとMateシリーズの2本立てになる。

「いきなり発売」で色めき立つファン

Puraシリーズは4機種から成る。8日に発売されたのは「Pura 70 Ultra」と「Pura 70 Pro」の2機種で、前者の小売価格は約1万元(約22万円)、後者は約6500元(約14万円)だ。

ファーウェイはPuraシリーズ4機種を登場させることを突然に発表し、うち2機種を同時に発売した。この「いきなり発売」は2023年のMate 60の発売時の手法と同様で、多くの人が争って購入することになった。業界関係者からは、「今回の突然性はMate 60には遠く及ばないが、注目度と熱気は長期にわたり安定する。最小限のマーケティング費用で宣伝の熱気をより大きく得ることができた」との声が出た。

中国メディアの新京報によると、18日午前10時ごろに北京市内のファーウェイ旗艦店を訪れたところ、Puraシリーズを求める長い列ができていた。

ファーウェイの消費者向け製品には「熱心なファンが多い」という特徴がある。新京報によると、「Pura 70 Ultra」の購入直後にその場で開封して商品を確認する男性がいた。同男性によると、昨年はMate60を購入できなかったので、今年は「待ち構えていた」という。同男性は店舗到着がほぼ一番乗りで、興奮した様子で「今日は運がよかった」と語ったという。

また、Pura 70は各ECプラットフォームでも売り出されたが、たちまちにして売り切れ状態になったという。

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ファーウェイのスマホは「二本立て」体制に

ファーウェイの公式説明によると、Pura 70シリーズには従来品よりも高性能の光学ズームカメラが搭載されており、望遠撮影や接写の機能が増強された。そのため、ポートレート、夜景、望遠、動画などの撮影機能がさらに引き上げられた。

さらに同シリーズは大規模AIの「盤古(パングー)」に接続することで、AIによる画像や映像の修正や補修機能も強化された。

香港に拠点を置く調査会社のカウンターポイントのイワン・ラムシニアアナリストは「従来はMateシリーズがPシリーズよりも高級と考える人が多かった。しかし実際には、消費者の映像に対する需要が高まっている。Pシリーズが(画像映像関係に注力した)Puraシリーズにアップグレードされたことは、ファーウェイがPuraシリーズとMateシリーズを2つの旗艦シリーズとして両立させようとしていることを意味する」と述べた。

国内市場のシェア獲得は確実視、ただし海外では

天風国際証券の郭明アナリストは、カメラのアップグレードと自社開発チップの「Kirin」への変更の恩恵を受け、24年にはP70(現在のPura70)の出荷が顕著に増加する見込みだと、「Pura 70」の発売以前に発表していた。流通過程における携帯電話の在庫回復需要が強ければ、出荷台数が前年比230%増の1300万-1500万台に達することも期待できるとした。

平安証券は、ファーウェイの新型旗艦シリーズの発表に伴い、中国国内のミドル・ハイエンド携帯電話市場の競争構造はさらに再構築され、ファーウェイのPuraシリーズは中国の携帯電話産業チェーンの新たな発展をけん引するとの見方を示した。

証券業界からは、ファーウェイはより多くの革新的な製品を発売し、製品ラインを整備することで、シェアを着実に奪還するとの予想も出ている。

ただし、ファーウェイ製スマホの海外市場への復活は、算段がきちんと成立していないのが現状だ。その背景には、米国の制裁によりグーグル関連機能が使えないなど、中国国外のユーザーにとって多くの「主流の機能」が利用できない問題がある。

供給不足の「二の舞」は回避か

また、23年に発売したMate 60シリーズでは、供給不足の問題も長引いた。ただし、情報通信技術を扱う市場調査会社であるオーバムの李沢剛端末市場チーフアナリストは、Mate 60シリーズはファーウェイが力を入れる「Kirin」チップを復活採用した初の製品で、早い時期に部品供給の問題に直面したことは事実とした上で、すでに半年以上が経過してファーウェイも部品供給チェーンで改善したはずであり、Pura 70は製品供給の面で特に深刻な事態に直面することはないとの予想を示した。

李チーフアナリストはPuraシリーズについて、自社開発のチップとシステムを搭載しており、同類製品との差別化により著しい強みを備えており、シリーズ名を一新したことでも市場からの反応を得られることが期待できるとの論じ、累計売り上げ台数は「Mate60シリーズを明らかに上回るだろう」との見方を示した。

(翻訳・編集/如月隼人)