2024年4月21日、独国際放送局ドイチェ・ヴェレの中国語版サイトは、日本がウクライナの支援を強化していることでロシアとの関係がますます疎遠になっていると報じた。

記事は、米国の政界でここ数カ月、ウクライナへの軍事援助問題をめぐる論争が絶えず、数十億ドルに上る新たな援助金の承認が遅れていると紹介。

一方で日本などがウクライナへの援助額が大幅に増加しており、ウクライナのシュミハリ首相が2月に訪日した際、日本から援助された資金と援助を約束された資金が合計120億ドル(約1兆8600億円)に上ることを明らかにしたほか、独キール大学世界経済研究所の統計では今年1月現在、日本がウクライナに世界で6番目に多い70億ドル以上(約1兆800億円)を援助していることが分かったと伝えた。

また、ウクライナが最も緊急に必要としているのは武器と弾薬であり、日本企業は平和憲法の制約を回避するため、米国向けにパトリオット対空ミサイルを一括生産し、米国がウクライナに譲渡する行動に出る可能性があるとし、これに対しロシアは「日本製のミサイルがウクライナで出現すれば、日ロ関係に影響を生じることになる」と警告していることを紹介した。

その上で、テンプル大学ジャパンの日ロ関係専門家であるジェームズ・ブラウン氏が「ウクライナを支援し、ロシアの侵略への抵抗に協力する日本の真の狙いは、現状を変えるための武力行使を防ぐ国際システムを維持することだ」とし、中国による台湾海峡の現状変更阻止が念頭にあると指摘したことを伝えた。

記事は、14年にロシアがクリミア半島の一方的な併合を行った際に黙認した日本が、22年のウクライナ戦争勃発後はロシアに対するスタンスを激変させたという日本のロシア専門家の解説を紹介した上で、その主な理由には、ロシアの侵略行為が「国連憲章のあからさまな違反」であったことと、ブチャなどでロシア軍の「非道な振る舞い」が明らかになったことがあるとした。

さらに、ブラウン氏が日本の首相が交代したことも、日本の対ロ姿勢にも影響を与えたと指摘し、安倍晋三政権時代には日ロ間の領土問題の解決と平和条約の締結につながる日露パートナーシップの発展が模索されていたものの、22年以降は日本政府が「優先事項はもはや日ロパートナーシップを築くことではなく、ロシアがウクライナに対する侵略戦争で敗北を喫するようにすることだ」と認識を改めたとの見解を示したことを伝えた。

記事はその一方で、日本はロシアとの関係を完全に断ち切ったわけではないとし、ガスプロムが主導するサハリン2石油・ガスプロジェクトに日本がなおも参画していることに言及。

その背景には日本国内の石油・天然ガス資源が乏しく、天然ガス供給をロシアに依存しなければならないことがあるとした。(翻訳・編集/川尻)