仏国際放送局ラジオ・フランス・アンテルナショナル(RFI)中国語版は23日、パリ五輪が間近に迫る中、中国当局と世界アンチ・ドーピング機構(WADA)が中国競泳選手のドーピング問題を鎮めようと試みているとの記事を掲載した。

記事によると、2021年初めに中国・河北省の石家荘市で行われた水泳大会で、中国選手23人がドーピング検査の結果、陽性反応を示したという。

記事は「このことは秘密にされており、選手も出場停止や制裁を受けることなく、中には7カ月後の東京五輪に出場し、今年のパリ五輪に出場する選手もいる」と指摘した。

その上で、「なぜこれがWADAに見逃されたのか」とし、米紙ニューヨーク・タイムズの報道として、「中国選手23人から禁止薬物のトリメタジジンが検出された。これはロシアのフィギュアスケート選手カミラ・ワリエワも22年北京冬季五輪での使用が発覚し、4年間の国際大会出場禁止処分を受けたもの。なぜ中国選手は例外なのか。問題の23選手のうち13選手は東京五輪に出場し、3人は金メダルを獲得した」と伝えた。

記事によると、23選手の陽性を受けて調査を行った中国のアンチ・ドーピング機関は報告書の中で、「選手らが宿泊するホテルのキッチンからトリメタジジンが検出されており、キッチンが汚染されていたため選手らは知らずに少量を摂取していた」と結論付け、「選手の落ち度ではなくドーピング違反に当たらない。

関係者からの訴えもなく、処理結果は対外的に公表しない」とした。

WADAもこの報告を受け入れ、「(陽性となった)選手らは異なる地域の異なるグループに属している。彼らは皆同じホテルに宿泊しており、同じ物質の検査で陽性と陰性の不安定な結果を示した。濃度は微量であり、故意に摂取した可能性を排除した」とのこと。ただ、「新型コロナのパンデミックを理由に調査員を現地に派遣できなかった」という事情もあるという。

ニューヨーク・タイムズの報道が物議を醸したことを受け、WADAのバンカ会長は22日に「環境汚染が原因であると信じている。

選手は無実であり、こっそり摂取したということはない」とし、「もしもう一度この問題を処理するとしても、同様の結論を出す」との立場を示した。

記事は、この騒動がWADAと米アンチ・ドーピング機構(USADA)との間の火種となっていると説明。USADAのタイガート会長が「(中国選手の)一時的な出場停止、成績の取り消し、検査の陽性結果の公表ができなかったことは(WADAの)極めて重大なミスだ」「脅迫戦術に屈し、失望させられた」と批判したのに対し、WADA側は「世界のスポーツ浄化運動を保護する当機構の活動を破壊するもの」として同氏を相手に法的措置を取る姿勢を示したことも併せて紹介している。(翻訳・編集/北田)