中国の新エネ車市場の急速な発展に伴い、リチウム資源がいずれ枯渇する日が来るのではないかと心配する人が多い。一方で、バッテリーがむやみに捨てられ、広い面積の環境汚染が懸念されている。

寧徳時代新能源科技(CATL)の曽毓群(ズン・ユーチュン)会長は今年の世界経済フォーラム)で、「車載電池の回収は非常に重要で、CATLの技術ではニッケル、コバルト、マンガンの回収率99.6%を実現し、金属の追加採掘は必要ない。リチウムの回収率は91%を達成した。子会社の広東邦普循環科技(BRUNP)は2023年に10万トンの廃電池を回収し、これらを利用して1万3000トンの炭酸リチウムを製造した」と明確な答えを示した。

また、「中国は42年には電池を生産するために新しい鉱山を掘る必要はなくなるだろう。リサイクルできるようになるからだ」と述べた。

「中国のリサイクル技術は業界をリードしているが、そのリードはどれくらいか」とのイタリアメディアの質問に、曽会長は「欧州の現在の技術では、ニッケル、コバルト、マンガンの回収率は80%、リチウムの回収率は70%程度だ。

中国は回収率が高いだけでなく、コスト面のメリットもある」と述べた。

中国製EVの急速な発展や新型車、新技術の革新が注目されているが、同時に車載電池のリサイクルという将来の巨大な市場も無視できない。

CATLは世界最大のリチウム電池メーカーであるだけでなく、車載電池のリサイクルにおけるリーディングカンパニーという目標も持っている。

CATLの23年の売上高は前年比22.01%増の4009億2100万元(約8兆円)で、利益は441億元(約8800億円)に達した。うち、電池材料とリサイクル事業はCATLの3位の事業となり、売上高は同29%増の336億元(約6700億円)に達し、総売上高の8.38%を占める。

CATLは車載電池のリーディングカンパニーとして、早くに電池のリサイクル事業への投資を開始。

13年に広東邦普循環科技を買収してリサイクル事業に参入した。23年4月には、25年までにすべての電池製造設備でカーボンニュートラルを実現し、35年までにバッテリーのサプライチェーン全体でカーボンニュートラルを実現する計画を発表した。

CATLの他にも、BYD(比亜迪)、国軒高科(Gotion High-tech)、億緯鋰能(EVEエナジー)などの電池メーカーがリサイクル事業に参入している。

BYDは15年からバッテリーリサイクル大手の格林美(GEM)と提携し、EVバッテリーのリサイクルシステムを共同で構築している。BYDの中国国内の新エネ車バッテリー回収サービス拠点は50カ所を超えた。

国軒高科は21年にリチウム電池のリサイクル事業のために合肥国軒循環科学技術を設立し、バッテリーのリサイクル工場の拡張を続けている。

(編集/CL)