2024年6月15日、仏国際放送局RFI(ラジオ・フランス・アンテルナショナル)の中国語版サイトは、欧州委員会が中国製電気自動車EVに対する付加関税発動の方針を示したことについて、仏紙ル・モンドが「いささか遅いが、欧州連合(EU)が目を覚ました」とする社説を掲載したことを報じた。

記事は、ル・モンドの14日付社説を紹介。

同紙が社説の中で、これまで自由貿易に対する無邪気さで批判を受けてきたEUが12日に中国製EVの関税を10%から最大48%にまで大幅に引き上げる方針を示したことについて「一つのターニングポイントだ」と評したことを伝えた。

そして、同紙が今回の決定の背景には中国メーカーに対して数カ月にわたって行われた政府補助金調査の結果があるとし、この調査について「中国が強化しようと試みている主張を成り立たなくする。中国は世界貿易機関(WTO)のルールを守っているのに米国はWTOの運営を阻害し、そのルールをないがしろにしているというのが中国の言い分だが、欧州委員会は中国が絶対にWTOの模範的メンバーではないことを理論立てて明らかにした。鉱物の採掘から工業生産全体に至るまで、中国企業は公的な補助を享受している。EUの関税引き上げ決定は保護主義では断じてなく、公平の原則の回復なのだ」と論じたことを紹介した。

記事によると同紙はまた、今回の関税引き上げ方針が中国に対して明確なシグナルを発したと指摘。

不動産危機や需要の疲弊に直面している中国が経済成長の鈍化を改善すべく輸出向け工業への投資を増やしており、これにより生産過剰の危機が生じて世界のマクロ経済バランスに脅威が及ぶ可能性があるため、米国やトルコ、インド、ブラジルなどが中国製EVに対する関税賦課を決定しているとした上で、「これを不公平だと主張する中国政府は、自国市場を法規で縛り付けていることを忘れてしまっている。例えば外国メーカーが中国メーカーをコントロールできないなどだ」と論じた。

同紙はさらに、EUが現在中国からの報復措置を受ける可能性がある中で、対中貿易依存度の高いドイツや、中国メーカーが数多く進出しているスウェーデン、ハンガリーなど、それぞれ自らの利害関係を持つ加盟27カ国が力を結集できるかが問われているとの見方を示した。そして、7月15日までに追加関税発動が決定できるかがEUの団結、欧州委員会に対する信用度、そして欧州の利益や工業、雇用を大きく左右することになるとした。(翻訳・編集/川尻)