2024年6月16日、独国際放送局ドイチェ・ヴェレの中国語版サイトは、トヨタなど日本の自動車メーカー5社が型式証明取得のためのデータで不正を行っていた問題について、かつてドイツのフォルクスワーゲン(VW)が起こした「ディーゼルゲート事件」と比較して報じた。

記事は、トヨタ、ホンダ、マツダ、スズキ、ヤマハ発動機の5社が、新車の型式証明取得プロセスにおいて義務化された試験手順を回避していたとの指摘を受け、国土交通省がトヨタ本社などの立ち入り検査を実施していると紹介。

世界の自動車市場はすでに競争が激しくなっており、今回の不祥事発覚は日本の自動車販売に大きな打撃を与える可能性があると伝えた。

その上で、VWが15年に排ガス検査に適合させるために違法なソフトウェアを利用していたことを認め、300億ドル(約4兆8000億円)もの罰金や損害賠償金を支払った自動車産業史上最大規模のスキャンダルと言われる「ディーゼルゲート事件」について言及。業界関係者の間では今回のスキャンダルが「ディーゼルゲート事件」に似ているとの見方が出ているとする一方で「実際にはディーゼルゲート事件のほうがはるかに深刻な影響を生んだ」とし、ドイツ自動車研究センター(CAR)の専門家が「ディーゼルゲート事件は、環境保護を目的とした米国の法律を回避するための極端な詐欺を含む刑事事件であり、今回の問題とは比べ物にならない」との認識を示したことを紹介している。

そして、ディーゼルゲート事件においてVWがエンジンコントローラーに不正ソフトを埋め込み、公式検査時に尾管排出基準をパスするようにパラメーターを自動調整しており、実際の走行時にはテスト時の最大40倍の尾管排出ガスを出す可能性があることが指摘され、米国大気浄化法(Clean Air Act)違反で告発されたと紹介。その後、複数の国でも同様の不正が発覚して制裁金が科されたほか、世界の1000万台を超えるVW車ユーザーから損害賠償を求められたとした。

記事はまた、ロンドンを拠点とする自動車調査機関JATO Dynamicsのシニアアナリストが「ディーゼルゲート事件は当初VW販売に影響を与えたが、根強い人気からその影響はすぐに薄れ、1年後には売上が再び増加に転じた」と述べ、トヨタも世界的に評判がよく人気が高いブランドであることから、今回のスキャンダルが販売に長期的な影響を与える可能性が低いとの認識を示したことを紹介。

一方で、国土交通省による立ち入り検査が今後数カ月にわたって行われ、さらなる問題が発覚する可能性もあることから、一連のスキャンダルで具体的にどれほどの経済的ダメージが出るかを評価することは難しいと伝えた。(翻訳・編集/川尻)