台湾メディアのNOWnewsは20日、台湾で最近話題になっている公共交通機関の優先席(台湾では「博愛座」)問題について、各国の状況を紹介する記事を掲載した。

記事は、優先席の扱いをめぐって台湾で論争が絶えず、18日にも台湾MRT車内で優先席に座っていた若い男性が中高年男性から罵倒され、殴られる事件が起きたと紹介した上で、「海外の優先席の設置は各国で条件が異なり、文化的にも多くの差異がある」と論じ、台湾を含め、各国の状況についてまとめた。

まず、台湾について「博愛座」の起源は1976年にさかのぼると説明。「当時台北市のバス業者が蔣介石総統の逝去1周年を記念して各路線に設置し、市民らに蔣介石総統の『仁慈博愛』の精神を発揮して自ら高齢者や病人、子どもに席を譲ってほしいと呼び掛けられた」とした。

また、「席を譲るという文化をめぐっては、1975年に当時の行政院長だった蔣経国氏が台北市の学生が高齢者らに席を譲らないことを『道徳の低下を反映している』と指摘した」と説明。「現在は『心身障害者権益保障法』の規定により、指定席のない大衆輸送手段には全体の15%を下回らない数の『博愛座』を設けなければならないと定められている」と解説した。

次に日本について「バスや地下鉄など各公共交通機関に優先席が設けられている」とした上で、「日本には席を譲るという絶対的な文化はなく、たとえ優先席であっても(元気な若者らに)普通に利用されている。たとえ同じ車両に年長者がいても、必ずしも席を譲るわけではない。

その理由は、通勤時間が長く混雑して疲れているから、または、高齢者に対して席を譲ることが逆に失礼になるという配慮からだ」と伝えた。
台湾とは異なる優先席事情、日本は「必ずしも譲らず」、韓国は「見えない結界」―台湾メディア
日本の優先席

続いて韓国について「公共交通機関の車内に一定の割合の『老弱者席(優先席)』が設置されており、(台湾と)同じように色分けされているが、これらの席は韓国では『見えない結界』のようなものであり、車内が混雑していても若者は基本的には座らない。稀に外国人観光客が座っていることを除けば、ほとんどの時間、この席に座るのは年配者だけだ。ほかに、妊婦専用席を設置している車両もある」と紹介した。

台湾とは異なる優先席事情、日本は「必ずしも譲らず」、韓国は「見えない結界」―台湾メディア
韓国の優先席

米国については、「バスには障害者専用の座席が設けられており、障害者が乗車する場合、運転手は健常者に座席の変更を求めることがある」と解説。「席を譲る文化については、年配者が自分から席を譲ってほしいと求めることはあまりなく、逆に席を譲ると自分が健康だと思っている年長者は不快になる可能性がある」と述べた。

このほか、英国については「ロンドンの公共交通機関の多くには優先席が設けられており、利用対象となる人の姿が図で表されているが、空いていれば元気な人も普通に座る」と紹介している。(翻訳・編集/北田)