中国は今、卒業シーズンを迎えている。今年は中国伝統の要素を取り入れたおしゃれな国産品のトレンド「国潮」や中国の伝統文化を取り入れた「国風」が卒業式にまで影響を及ぼしており、多くの卒業生が卒業写真のために「国潮」や「国風」のアカデミックガウンを身にまとい、中国ならではの雰囲気を醸し出している。
山東大学は「広い海、高い空」をイメージした「雲肩」をアカデミックガウンに取り入れ、未来へとはばたく卒業生の卒業を祝う気持ちを込めている。北京中医薬大学のアカデミックガウンは立襟とチャイナボタンを採用し、中立、公正、平和を願う思いを込めている。また、角帽のタッセルは「懸壺済世」(医師が慈悲の心を持って優れた医術で人々を救うこと)の思いを込めて、ひょうたんの形になっている。中国人民大学のアカデミックガウンの肩掛けと袖口には宝塔山と延河の水の要素が刺しゅうされている。華南農業大学はアカデミックガウンの色調を従来の黒から嶺南文化の特徴である橙色にチェンジ。そのデザインには母校の卒業生に対する深い思いが巧みに込められているほか、キャンパス文化と伝統文化を融合させている。
「雲肩」や「簪花」で飾られた角帽や伝統衣装の「馬面裙」といった「国風」の要素が近年、高等教育機関の卒業写真で存在感を放っている。今年のショッピングイベント「618」開催期間中、漢服や新中国スタイルが爆発的人気をキープした。そして、卒業シーズンに突入し、「国風」の卒業写真の「必須アイテム」である「雲肩」や「長衫」(丈の長い中国服)、「簪花」で飾られた角帽などの売れ行きが好調となっている。
人気が高まり続ける「国風」や「国潮」が衣服のトレンドを変えているだけでなく、無形文化遺産の作品や伝統演劇、詩や詞といった芸術のほか、文化や博物館、史跡などにも影響を与え、それらを好み、趣味とする若者がどんどん増えているというのは、とても喜ばしいことと言えるだろう。悠久の歴史を誇り、多種多様な中華の優秀な伝統文化が今、若者の間でさらに若々しくエネルギッシュな光を放つようになっている。(提供/人民網日本語版・編集/KN)