華字メディアの日本華僑報は5日、パリ五輪をめぐる日中友好に関する記事を掲載した。

記事は、「世界最大のスポーツイベントはメダルを争い激しく火花を散らすものだが、その過程ではメダルよりも重要な友情を感じる場面もあった。

日中両国の間には、選手らの助け合い、ネットユーザーの交流といった細かなところに友情があふれている」と述べた。

その上で、卓球混合ダブルスで金メダルを獲得した王楚欽(ワン・チューチン)のラケットがカメラマンに踏まれて折られた騒動に言及。スペアラケットでの試合を強いられた王が翌日の男子シングルス2回戦で敗退したことについて、「日本の多くのネットユーザーからも王に同情的な声が上がった」と伝えた。

また、元卓球選手の水谷隼が「ラケットを折られたのはかわいそうすぎる。プロの選手は1グラム単位で重さを指定して、汗や湿気で弾みも変わってその都度調整して、なじんできてやっと自信を持って信じれるようになる唯一無二のパートナーなのに」とやはり王に同情的な見解を示したこと、「ラケットは原因ではない。負けたのは相手が強かったから」と敗因をラケットのせいにしなかった王の姿勢に日本国内でも称賛の声が上がったことを紹介した。

パリ五輪、メダル争いの中に見えた日中友好―華字メディア

記事は、「こうした世論の雰囲気は両国の競技における友好と理解を表すものだ」と指摘。体操男子団体決勝では、演技を終えた橋本大輝がその後に演技する中国の張博恒(ジャン・ボーヘン)のために静かにするようジェスチャーで観客に訴えかけたこと、演技を終えた張の肩をたたいて健闘をたたえたことに触れ、「その瞬間、彼らはライバルではなく兄弟のようだった。このシーンは中国チームや観客を感動させた。結果は、日本が金メダル、中国が銀メダルだった。競技上は順位が付けられたが、友情に順位はなかった」と評した。

そして、「点数を超えた日中の友情はメダルよりも貴重な証となった」と結んだ。

(翻訳・編集/北田)

編集部おすすめ