2024年8月11日、第一財経は、中国のECプラットフォームでパリ五輪の金メダルを模したメダルが多数販売されており、弁護士が権利侵害に当たる可能性を指摘していると報じた。
記事は、中国の各種ECプラットフォームで「パリ五輪の金メダル」がひそかに売られているとし、画像がパリ五輪のメダルとそっくりな商品が100元(約2000円)から400元(約8000円)という低価格で販売されていると紹介した。
そして、大手ECプラットフォームのタオバオ(淘宝)では「五輪メダル」が1週間以内に100個以上売れ、1000人以上がショッピングカートに入れているとしたほか、TikTokのECプラットフォームでも「パリ五輪」という表記を避けた「夏季スポーツ大会の原寸大金メダル」といった商品名でメダルが販売されていたと伝えた。
また、実際にメダルを販売している業者に問い合わせたところ、販売品と五輪の金メダルは「ほぼ同じ」という返答があり、材質については亜鉛合金製で摩耗や腐食に強いとの説明を受けたと紹介。本物のパリ五輪の金メダルは銀523グラムと金6グラムを用いた外側部分に、エッフェル塔の鉄を中心に配置したものであるのに対し、ECプラットフォームで販売されているものは押しなべて亜鉛合金製で重さは340グラムと軽いとした。
さらに、購入したユーザーのコメント欄を見ると、その大部分がコレクション目的で購入しており、多くの購入者が「リアルな模造品」「品質に満足」といった感想を残していると伝えたほか、メダルを販売する店舗の多くは他の商品を扱っておらず、投機的な出店販売を行っている可能性があると指摘した。
一方で、弁護士からは「五輪のメダルには通常、五輪のロゴマークが付いており、ロゴマークは国の『五輪シンボル保護条例』によって保護されている。ライセンス所有者の許可がない限り、商業目的で五輪のロゴマークを使用することは禁じられており、業者が五輪のメダルを模した製品を作って販売すれば、権利を侵犯することになる」との声や、金メダルのデザインや図案なども著作権法によって保護されている可能性があるほか、「五輪のメダル」と宣伝すれば虚偽宣伝、不当競争行為に当たる可能性があるとの指摘が出たと紹介している。
記事によると、「五輪の金メダル」を販売していた各種ECプラットフォームに問い合わせを行ったところ、どのプラットフォームからも回答が得られなかったという。(翻訳・編集/川尻)