中国メディアの環球時報は14日、「『キムチの貿易赤字』に韓国メディアが注目している」との記事を掲載した。

記事によると、韓国は伝統食であるキムチの生産・輸出大国だが、韓国英字紙・コリアタイムズは12日、「韓国はキムチの純輸入国で、韓国人が食べるキムチは主に中国から輸入されている」と報じた。

韓国は2010年からキムチの輸入額が輸出額を上回っており、逆転が見られたのは21年だけだ。この十数年の年間貿易赤字は366万~4260万ドル(約5億3700万~62億6000万円)で、今年上半期は54万9000ドル(約8000万円)だった。また、輸入量は04年から輸出量を上回り、その差は04年の約3万8000トンから23年の24万トン超に拡大している。

韓国が中国産キムチを大量に輸入する主な理由は価格にあるとみられ、今年上半期に韓国が輸入した中国産キムチが1トン当たり569ドル(約8万4000円)だったのに対し、輸出された韓国産キムチは1トン当たり3513ドル(約51万6000円)だった。

韓国の食品業界関係者は「韓国の飲食店では通常キムチを提供するため、キムチは飲食業の一大コストとなっている。店は自然とコストの低い輸入品を選ぶだろう」と指摘。また、ある韓国メディアは「物価上昇の影響で多くの一般消費者が輸入キムチを買い始めている」と報じた。

さらに韓国ではこの夏の高温の影響で白菜の生産量が減り、韓国産キムチの価格上昇につながる可能性があるとみられている。ある専門家は「今年の白菜生産量は昨年の約半分にとどまるかもしれない」として、韓国産キムチの持続的な値上がりに伴い、中国産キムチへの輸入依存度もさらに高まるとの見方を示した。

このところ、キムチは国際市場で人気を高めており、韓国の今年上半期の輸出量は前年同期比4.8%増の2万3900トンと過去最高を記録した。キムチ人気について、米メディアは「近年の韓国の流行文化輸出と密接な関係がある」と分析していたという。(翻訳・編集/野谷)

編集部おすすめ