2024年8月29日、韓国・イーデイリーによると、政府とソウル市が進める外国人家事労働者受け入れの試験事業で今月6日に韓国に入ったフィリピン人の「家事管理士」100人に、事実上の給料となる「教育手当」が一銭も支払われていないことが分かった。
入国した100人は9月3日からの試験事業サービス開始に先立ち、ソウル市内で毎日8時間、職務教育と韓国語・生活文化教育を受けている。
記事によると、2社は家事代行サービス利用者から支払われた利用料から家事管理士に賃金を支払うシステムを取っているが、同事業は正式なスタート前のため利用料が発生しておらず、家事管理士に賃金を支払うことができなかったと説明しているという。記事は「フィリピンから来た家事管理士たちは2度目の給料日である来月20日まで、生計を心配しなければならない状況に追い込まれた」と指摘している。
この状況を受け、政府は業者に可能なかぎり早く教育手当を支給するよう督励する方針を示している。ただ、雇用部は「教育期間(8月6日~9月2日)に支払われるのはあくまで教育手当であり、賃金不払いには相当しない」との立場だという。しかし、家事管理士の労働契約書には、「労働契約期間は7カ月」「入国日から加算する」と明示されている。
この記事に、韓国のネットユーザーからは「こんなことだろうと思った。世界的な恥の始まりだ」「わざわざ外国人を連れてきてこのありさまとは、情けない」「国際就業詐欺」「呉世勲(オ・セフン)ソウル市長はろくなことをしない。責任感のかけらもない」「業者選びからしくじったな」など、市と政府への批判の声が多数寄せられている。
その他、「そしてお金がない管理士たちが姿を消して不法滞在者となる。国民はみんな予想してたことだ」「そもそもなぜこんな事業をやるのか理解できない」「教育を済ませてから入国させなよ」「ソウルの江南に格安で住まわせ、教育費ももらえて、給料も結構な額がもらえるなんてすごいね。低賃金で働く韓国人の待遇改善や賃金補助をしてあげるべきだ」といったコメントも見られた。