間もなく退任する岸田文雄首相が6~7日の日程で韓国を訪問し、尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領と首脳会談を行うことについて、シンガポール華字メディアの聯合早報は3日、「自らの政治的遺産を強固にするためとの分析がある」とする記事を掲載した。
記事はまず、岸田首相と尹大統領の首脳会談は今回が12回目で、昨年3月に両国首脳によるシャトル外交が12年ぶりに再開され、両国関係は明らかに改善したと伝えた。
その上で、自民党総裁選への不出馬を表明し、首相退任まで1カ月足らずの岸田氏がこのタイミングで韓国大統領との首脳会談を行うことに驚きの声も聞かれるとし、日韓問題に詳しい世宗大学の保坂祐二教授が韓国メディアのインタビューで、「岸田首相は日韓関係を改善したという点を浮き彫りにして、誰が次の首相になっても引き続き影響力を行使できる政界の元老として残りたいのだろう」と分析したことを取り上げた。
また、慶南大学軍事学科のチョ・ソンリョル教授が、ハンギョレ新聞に対し、尹政権には日本に向かって「次期首相が来ても揺らぐことなく安保協力を強固にしよう」と約束しようとする意味もあるとの認識を示したことも紹介した。(翻訳・編集/柳川)