埼玉スタジアム2002で5日に行われたサッカーワールドカップ(W杯)アジア最終予選の日本対中国戦について、独国際放送局ドイチェ・ヴェレの中国語版サイトは6日、「サッカー男子中国代表が日本戦で史上最大の惨敗、実力差はどれくらいか」と題する記事を掲載した。
記事はまず、日本が7-0で中国を破ったことを「中国の日本との公式戦における最も悲惨な敗北だ」と説明し、双方の顔触れを見ると日本は全員が欧州組、中国は国内リーグのメンバーで、全体的な実力と経験ですでに大きく負けていたと指摘。
イバンコビッチ監督は「日本はアジア最強のチームの一つであるだけでなく、世界一流のチームだ。試合前の準備は守備に特に注意したが、失点が多すぎた」と振り返っており、元中国代表の范志毅(ファン・ジーイー)氏は試合中に「(上海市を流れる)黄浦江は遠い。そうでなければ飛び込んでいる」とさえ言った。
記事は次に、中国国営の中央テレビ(CCTV)がこの試合を生放送しなかったことを「まれなことだ」として取り上げた。中国の多くのサポーターは負けたことに「意外じゃない」との反応を示したが、CCTVのこの対応は大きな驚きを呼んだといい、記事は中国代表の負けを受けて「これが放送しなかった理由か」といった苦笑いのコメントがネット上に寄せられたと紹介した。
この他、この試合では中国のサポーターの民族主義的な一面も見られたと言及し、「試合前、八路軍の軍服を着たサポーターが敬礼して愛国のスローガンを叫ぶとその場が沸いたが、応援の声は3点目を取られた後、ますます小さくなった」と説明。中国側サポーターの軍服姿や言動を日本側は特に気にしなかったと伝え、「もし日本のサポーターが皇軍の軍服を着て銃剣と旭日旗を携えて敬礼の姿勢を取ったら中国などの国々から猛抗議されるだろう」などと指摘した。
記事はさらに、練習の集合時間と態度からも両国の差が見えるようだと述べて「試合前日の公開練習で日本側はほぼ全員が集合時間の前に集まり、時間になると精力的に取り組んだ」と伝えた。一方、中国側が全員そろったのは予定の30分近く後だったという。
記事は「このような効率は中国代表が効果的に練習できる機会を先延ばしにした」と指摘。また、これとは別に「中国のサポーターは長年、チームが世界の舞台に戻れないことを嘆き悲しんできた。
記事は最後に、「日本では2000年以降、大勢の選手が欧州に向かい始め、特にドイツの各リーグのほぼすべてに日本人選手の姿が見られる」として「明治維新当時のように選手らは積極的に海外の経験を学び、帰国後は自国サッカーの『栄養』にしている」と指摘。22年のW杯で日本が強豪のスペイン、ドイツを破ったことも取り上げて、「日本と中国は政治上で一触即発の状態に見えるが、スポーツでは常に平和な一面が見られる。しかしながら、この試合は驚異的な差を示すものだった」と評した。(翻訳・編集/野谷)