2024年9月5日、サッカーワールドカップ(W杯)アジア最終(3次)予選で中国は日本に7-0と惨敗した。想定を上回る歴史的な大敗に中国のサポーターが肩を落とす中、サッカーを愛する中国の少年はひときわ大きなショックを覚えたようだ。

四川ラジオ・テレビ局のSNS・微博(ウェイボー)アカウント「四川観察」は6日、早々に学校の宿題を終わらせて帰宅し観戦した少年を紹介。中国代表に対する期待とは裏腹に次々とゴールを奪われていく状況に少年の表情は曇っていき、4点目まではなんとかこらえていたものの、5失点目を喫するとついにメンタルが崩壊して号泣し始めたことを伝えた。

純粋無垢な少年にはさらに試練が待ち受けていた。日本の6点目のゴールを中国の得点と勘違いしてしまい、現実を知った瞬間に再び涙腺が崩壊。ここまでは親も「泣くな泣くな」となだめていたが、7点目を奪われるともはやなだめる気力もなくなり、「泣きたいだけ泣きなさい」と見守るしかなかったという。

ネット上で拡散した動画では、急いで終わらせた宿題をテーブルに広げたままソファーに座って試合を観戦し、膝の上に両手をつっぱらせ硬直した様子で泣いたり、ソファーに仰向けになりシャツをまくって涙を拭ったりする少年が映っていた。親いわく「午後6時半までに宿題を終わらせたのはこの4年で初めてだった」とのこと。この試合に臨む少年の意気込みの強さと、それゆえのショックの大きさは推して知るべしだ。

この少年について、中国のネットユーザーは「趣味を変えた方がいい。メンタルに問題が出かねないぞ」「でもサッカーってすごく熱血するスポーツだから、一回好きになっちゃうともう抜け出せないんだよね」「(国が急速に発展する中で育ってきた)今の子どもにとっては経験したことのない屈辱なんだろうな」「いやいや、中国代表になんて涙を流すのさえももったいないよ」「小さいころに挫折を味わわせることは、教育としてはいいと思う」「中国代表を支援するお金は本当に無駄遣い」「少年よ泣くな、道は長いぞ。私なんて20年もこんなものを見させられているのだから」といったコメントを残している。少年への同情というよりも、ふがいない中国代表に対する諦めや皮肉といった意味合いが色濃く見られた。(編集・翻訳/川尻)

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