中秋節(旧暦の8月15日で、今年は9月17日)が近づくに伴い、中国各地では月餅が市場に出回り、人気が高まっています。今年はシンプルなタイプが人々に愛され、シンプルさはパッケージのデザインだけでなく、お手頃感の値段にも反映されています。
今年の月餅市場の主流は、過剰包装をやめ、シンプルなものになっており、中国各地では500元(約1万円)以上の高価な月餅ギフトの姿が消える一方、100~200元(約2000~4000円)の月餅ギフトが売れています。
北京の老舗である稲香村の担当者は、「今年はシンプルなギフトが商品全体の90%を占め、買い物客に好まれている。毎年、自由に選べるギフトもあり、客が自分の好みで月餅を選びギフトをセットするものも、より人気が高い」と紹介しました。
Eコマースでも、シンプルなものが消費者に好まれています。データによりますと、過去1カ月で月餅の販売量は前月比で246%増え、前年同期比で130%増えました。うち、50元(約1000円)以下、あるいは100元以下の月餅の注文数が著しく増えていることが分かりました。
パッケージのデザインのほか、エコでリサイクルできる材料が新しい発展方向になっています。パッケージの包装にはリサイクル可能か生分解性のある素材が使われ、伝統的な祝日の雰囲気を残すと同時に、環境にも優しいです。竹パルプやサトウキビの絞りかすで作ったパッケージは、これらを組み合わせて再分解した後、生分解性材料に変わり、6カ月以内に分解されます。
今年、多くの老舗は包装がよりコンパクトでミニサイズの月餅を売り出しています。月餅は普通1個100グラムでしたが、ミニサイズは45~50グラムで、ヘルシーな飲食ニーズに応え、共有や携帯にも便利です。
中国焼き菓子食品糖類製品工業協会がこのほど発表した「2024年中秋節月餅産業のトレンド報告」によりますと、今年の月餅の生産量は30万トン、販売高は200億元(約4025億円)に達する見込みです。