2024年9月11日、中国メディアの大皖新聞は、サッカーワールドカップ(W杯)アジア3次予選で開幕2連敗を喫した中国代表について、14年間更新されていない元代表監督のSNSアカウントに復帰を望む声が続々と寄せられていると報じた。
10日に行われた同予選第2節の中国―サウジアラビア戦では、前半に中国が相手オウンゴールで1点先制するもその後追いつかれ、後半終了間際に逆転ゴールを許して1-2で敗戦。
記事は、試合後に現場のサポーターがイバンコビッチ監督の解任を叫び、共産党機関紙の人民日報さえもが「監督の責任は免れない」と評したと紹介。その中で2009~11年と16年に代表監督を務めた高洪波(ガオ・ホンボー)氏のSNSアカウントに復帰を求めるコメントが大量に寄せられていると伝えた。
そして、「中国代表監督」として運営から認証を受けている高氏のアカウントは、10年の開設直後に1件書き込みが行われて以降14年にわたって「沈黙」が続いており、現場復帰を求める声はこの14年前の唯一の書き込みに対するコメントとして寄せられたと説明。すでに3万8000件を超えるコメントがつく「祭り」状態になっており、多くのユーザーが「チームのピンチだ、早く戻られよ!」と高氏に呼びかけたと紹介している。
また、高氏の復帰待望論を掲げるサポーターが多くいる一方で、一部のサポーターからは「融通がきかない戦法」「2度目の監督時代に成績不振で解任されたことを忘れたのか」など否定的な見方が出たほか、「お願いだから洪氏を泥水に飛び込むようなことはしないで」と監督就任を思いとどまるよう勧める声も見られたという。
記事によると、中国代表はこの約10年間で9人が監督を務めている。最も長かったのはリッピ氏(1回目、16~19年)の825日、30試合で、最短はリッピ氏の後任として就任後2試合連続ノーゴールで連敗し、わずか49日で解任されたカンナヴァーロ氏だった。なお、高氏の監督在任期間は251日で8試合を戦って3勝4敗1分け、1試合あたりの平均ゴールは1.25点と、決して優れた成績とは言えない。
開幕2連敗により解任論が高まる一方で、予選はまだ8戦を残しており、敗退が決まったわけではないことから、イバンコビッチ監督が解任されるのか否か、解任されるならどのタイミングなのかについては不透明な状況。協会はチームの状況と世論の圧力を受けながら難しい判断を迫られることになりそうだ。