中国・上海市で妻を殺害して死刑判決を受けた男の刑がこのほど執行された。中国メディアの瀟湘晨報が12日付で伝えた。

高(ガオ)死刑囚と妻は知人の紹介で知り合い、2015年に結婚したが、その翌年には高死刑囚が株の売買で大きな損失を出し、妻に無断で家を売却したほか、ネット上や親戚、友人らから借金を繰り返した。高死刑囚と妻は100万元(約1980万)余りに膨らんだ借金をめぐって、たびたび言い争っていたという。

2022年3月2日、高死刑囚は自宅で妻と口論になり、キッチンから果物ナイフを持ち出してめった刺しにして殺害。その後、冷凍庫などを購入して遺体を隠そうとしたもののうまくいかず、翌日に警察に通報して自分と妻は2人で自殺しようとしたと説明したものの、捜査の結果、妻の死が他殺であることが発覚した。

妻を殺害して冷凍庫に隠そうとするも失敗、警察に「自殺した」と通報もウソがばれた男、死刑―中国

その後の調べで、高死刑囚は妻を殺害した後にも、妻のふりをして家族にメッセージを送り、口座に金を振り込ませていたことが分かった。遺体を隠そうとした700元(約1万3800円)の冷凍庫も、妻の家族から振り込まれた金で購入していたという。

高死刑囚は裁判の中で、殺害する際に妻が「あなたの両親のことを考えて」「知り合って10年の結果がこれなの?」と言葉を発したものの、構わず犯行を続けたことを明かした。

妻の姉によると、上海市高級人民法院はこのほど高死刑囚に死刑判決を下した一審判決を支持する裁定を下し、死刑が確定(中国は二審制)、執行された。しかし、高死刑囚は最後まで、謝罪の言葉を口にすることはなかったという。(翻訳・編集/北田)

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