野外で生息する2頭のジャイアントパンダが「恋愛中」であることがこのほど確認されました。野生に戻された雄の「淘淘(タオタオ)」)と雌の「華妍(ファーイェン)」です。
四川省臥龍ジャイアントパンダ基地内にある中国ジャイアントパンダ保護研究センターは、これまでに11頭の飼育パンダを野生に戻しました。飼育員の牟仕傑さんによると、野生化には人間への依存を極力避ける必要があり、そのためにパンダの偽装服という「奥の手」を使うことが多く、野生化訓練の時、牟さんは同僚と「完全防備」して、偽装服にパンダの尿をかけたりふんを塗ったりして、よりパンダらしくなるよう工夫しているとのことです。
牟さんはある時、「タオタオ」がパンダを装った飼育員を見て、すぐに大きな木に登り隠れたのを見たことがあり、「この『ジャイアントパンダ』はどこか違うと思われたかもしれない」と語っています。
「タオタオ」より前に、パンダの野生復帰作業は一時停滞していました。2006年4月、雄の亜成体ジャイアントパンダ「祥祥」は独立野生化訓練を経て野生に戻されたものの、1年足らずで死亡が確認されました。研究の結果、「祥祥」は野生のジャイアントパンダと縄張りや食べ物を争っていたところ、高い場所から転落して重傷を負い、死亡したとのことです。
パンダセンターがまとめた「祥祥」の野生復帰作業の失敗原因によると、まず野生化の期間に母親の付き添いがなく、母親からサバイバルスキルを学ぶことができず、人に依存しやすくなっていたことが認識されました。次に、「祥祥」が戻された山林ではパンダ個体群の数が飽和していたため、縄張りと配偶者の争いが非常に激しかったことも挙げられました。
こうした教訓を踏まえ、2010年に野生復帰計画が再開されました。今回は「母親パンダの参加」を前提に進められました。子パンダは生まれた後に母パンダと一緒に生活することにより、餌を探したり、天敵を避けたりする技能を身につけ、野生に戻るために備えておきます。
「祥祥」を加えて、パンダセンターは目下11匹の飼育パンダを野生に戻しました。うち9匹は生存しており、生存率は81.8%を超え、国際的な大型野生動物の野生復帰の成功率をはるかに上回っています。(提供/CRI)