中国南方航空CZ3631便は5日午前7時ごろ、武漢天河国際空港を出発してハルビンに向かいました。ところが女性乗客1人が突然に発病しました。
CZ3631便では離陸後約1時間後に、チーフパーサーが他の客室乗務員から、女性乗客が突然気分が悪くなったとの報告を受けました。この乗客は青ざめた顔をして目をきつく閉じ、胸を揉み続けていました。呼吸は荒く、話すことも困難でした。客室乗務員はこの乗客の片言から、昨年に心筋炎が検出され、今も心臓の具合が悪く、治療の薬は持っていないことを知りました。
乗務員は機内の酸素ボンベを持ってきて乗客に酸素を吸わせ、機内放送を通じて医師を探しました。同便には医者2人が乗っていました。1人は自分のスマートウォッチをはずして発病した乗客の腕に装着して脈拍を調べ、もう1人は乗務員に応急医療箱を持ってきてもらって発症した乗客の聴診を行い、血圧を測定しました。
急病の乗客は数分後に具合がやや好転しました。そこで皆が力を合わせてこの乗客を機内後部の乗客の少ない場所に移し、座席に寄りかからせて休息させました。医師2人は繰り返しやって来てこの乗客の具合を調べました。
チーフパーサーは急病の乗客の体調がどのように変化するか分からないことを考えあわせ、機長に事情を報告して万が一のことに備えて最大速度で直線飛行をすることを提案しました。機長は地上管制センターに患者の状況を報告しました。管制官は同便が直線で飛行して早く到着することに同意しました。
航空機は飛行時に、悪天候などを避けるなどで「曲線飛行」をします。航空便が直線で高速飛行することに同意できるかどうかは、管制官が天候や航路にある他の航空機、飛行禁止制限空域などの多重の要素を総合的に考慮しなければならず、簡単に決められることではありません。CZ3631便は地上の準備が整った後に速度を上げてハルビンを目指しました。そして計画時間より53分早く着陸し、急病の乗客はただちにシャトルバスに乗せられ、その際に乗組員と医師2人に感謝の気持ちを伝えました。(提供/CRI)