中国のポータルサイト・今日頭条に、「中国人は日本が嫌いなのに、なぜ多くの人が日本旅行に行くのか」との記事が掲載された。
記事は、「ここ数年、中国では海外旅行が人気になっているが、日本については歴史的な恨みや核廃水(処理水)排出騒動から、本来であれば訪れる人は少ないはずだ。
その上で、中国人が日本旅行を好む理由をいくつか挙げた。一つ目は「距離が近い」ことで、「先進国の中で日本は欧米と比べて中国からの距離が近い。もし欧米に行くなら飛行機に十数時間乗らなければならないが、日本であれば3~4時間で済む」とした。二つ目は「ビザが取りやすく、航空券が安い」ことで、「中国人にとって日本のビザは欧米と比べてかなり取りやすく、特に3年や5年のマルチビザは便利。航空券も安く済む」とした。
三つ目は「漢字が使われている」ことで、「日本は街じゅうに漢字があふれており、言語上の障害が少ない。日本語が分からなくても文字を見ればだいたいの意味が分かり、文化的にも(欧米と比べて)親近感がある」と説明。四つ目は「日本社会の新鮮味」で、「日本の道路は清潔で日本人の民度は高く、茶道や華道、寺など、文化や伝統が味わえる。現代的な繁栄ぶりがうかがえる都市がありつつ、文化的な魅力もある」とした。
五つ目は「自然風景」とし、「春は桜、夏は花火大会、秋は紅葉、冬は雪と温泉と、(同じ場所でも)1年中四季折々の見どころがある」と言及。
七つ目は「買い物&グルメ天国」とし、「ここ数年は大幅な円安で観光客の買い物欲を刺激している。日本の商品は洗練されているだけでなく実用的で長持ちする。すしやラーメン、焼肉などおいしい食べ物も豊富で添加物も少ない」とした。
記事は続いて、日本旅行に行く中国人の特徴として、「歴史を気にしない人」「日本文化に特別な感情を抱く人」を挙げたほか、「庶民は東南アジアへ、金持ちは欧米やアフリカへ行くため、やや経済状況がいい中産階級が主に日本を好んでいる」とした。一方で、「死んでも日本には行かない」と言い張る人も多いとし、その特徴として「(国内に比べて)日本には大した名所はない」「地震が多発する」「日本食はマズい」「国家の恨みを忘れられない」「日本人は『小さな礼はあるが大義はない』」などと考えているとした。
この記事に、中国のネットユーザーからは「世界にはこんなに多くの国があるのになぜわざわざ日本に?」「日本は中国にとって永遠の敵だ」といった批判の声がある一方、「今の日本は戦時中の日本とは違う」「政治と生活を一緒くたにするな」「日本を嫌い、ロシアを好きなのは『政治的な正しさ』に過ぎない」「前の世代の恩や仇を次の世代で清算する必要はない。そんなことをしていれば終わりがない」「私は日本が好き。学ぶべきところがたくさんある」「日本は物価が安定しているし、文明的で礼儀正しいから好き。何度も行っているし、また行きたい」などのコメントが多く寄せられていた。(翻訳・編集/北田)