中国メディアの環球時報は25日、「ドイツメディアによると、中国抜きでエネルギー転換は達成不可能」とする記事を掲載し、「中国が再生可能エネルギー市場を独占、プレッシャーを感じているドイツ企業」とするドイツメディアのフランクフルター・ルントシャウ(FR)の記事を紹介した。
FRの記事はまず、「中国は再生可能エネルギーに巨額の資金をつぎ込み、風力エネルギー市場のリーダーとしての地位を確立しており、ドイツ企業はプレッシャーを感じている」とし、米国を拠点とするシンクタンク、グローバル・エネルギー・モニターによると、中国は太陽光発電システムと合わせて出力339ギガワットの風力タービンを建設中で、これは世界中で建設中の容量の64%に相当すること、中国はカーボンニュートラルを支える技術にも多額の投資を行っていて、フィンランドのシンクタンク、エネルギー・クリーン・エア研究センター(CREA)によると、これらの投資は経済成長の40%という大きな割合を占めていることを伝えた。
記事は「中国はドイツ市場にも進出している」とし、風力タービン生産者の上位10社のうち中国から来ていないのは3社だけで、ドイツのシステムの部品もほとんどが中国から来ていて、現在、風力タービンに必要な永久磁石の約90%が中国から来ていると伝えた。
記事によると、ドイツはエネルギー転換において洋上風力発電所に依存しているため、国内企業は中国と競争しなければならない。北海とバルト海の洋上風力発電所で頼りにされてきたのはシーメンス・ガメサやベスタス、ゼネラル・エレクトリック(GE)だが、今では中国メーカーが重視されるようになってきている。ボルクムでは中国メーカーのタービン16基を備えた風力発電所が建設中だ。懸念されているのは、入札における価格圧力の高まりにより、風力発電事業者は収益目標を達成するために非常に安価にシステムを構築せざるを得なくなるということだ。これは、近年需要の低迷に苦しんでいる企業にとって特に試練となるだろう。
記事は「中国はこのギャップを埋めている。生産能力が余っているため、中国企業は比較的低価格で提供できる」とし、「私たちは新たな現実を目の当たりにしている。中国抜きではこのエネルギー転換を達成することは不可能だ」とする風力発電インフラ企業スチールウインド・ノルデンハムの経営幹部のコメントを紹介した。(翻訳・編集/柳川)