2024年11月1日、日本華僑報網は「日本人の自動車消費観」と題した文章を掲載した。
文章は、日本で1970年代にモータリゼーションが起こり、半世紀が経過した今では日本車が燃費の良さ、安定した性能、洗練されたインテリア、乗り心地のよさ、ステアリングやブレーキ、アクセルの軽さ、長時間運転しても疲れにくいといった特徴で日本国内はおろか世界中で広く認められており、世界の自動車市場の主力になっていると紹介。
また、70年代の日本の若者は競うように自動車を買い、自慢し合っていたものの、今では都市部を中心に「自動車離れ」が進んでいると指摘。その背景には公共交通網の発達、駐車スペースの不足と駐車料金の高騰などがあるほか、現在の若者には車を買う経済的な余裕がないとした。
その上で、日本の道路を走っている車の大部分が黄色ナンバー車、つまり排気量660cc以下の軽自動車であると紹介。軽自動車が好まれる理由は、日本人の自動車消費に対する概念がより実用的で、燃費の良さ、経済性を追求しているからだとした。そして、日本人は高級な外車ではなく国産車を好むという「興味深い傾向」があると伝え「それは愛国心によるものではなく、純粋に日本の自動車メーカーが日本人の消費者哲学、習慣を踏まえ、日本人がより快適に感じるような車を作ってきたからだ」と分析。日本人には「富を他人に見せびらかさない」という流儀があることも高級外車を敬遠する傾向の一要因になっているとの認識を示した。
さらに、日本では電気自動車(EV)はあまり受け入れられていないとし、化石燃料車やハイブリッド車より値段が高いこと、日本の大手メーカーがEVを精力的に開発してこなかったこと、日本人の保守的思考により新しいブランドよりも古いブランドを認める傾向があることの3点を理由に挙げている。
文章はこのほか、交通法規が完璧で、交通ルールが自覚的に厳守されていることも日本人の自動車消費観念に影響を与えていると指摘。中国では自動車保有台数が約1億3千万台、毎年の交通事故死者数は16万人以上であるのに対し、日本では自動車保有台数は約7500万台で毎年の交通事故死者数はわずか4千人、しかも年々減少傾向にあるというデータを挙げ、「この差は、自動車消費観念の大きな違いという点も大きく作用しているのだ」との見解を示した。(編集・翻訳/川尻)