2024年11月1日、中国メディア・網易は「BYDが過去最高記録を更新し、トヨタモデルの正しさを証明した」と題する文章を掲載した。
文章は、BYDの今年7~9月期の自動車販売台数が前四半期比15%増、前年同期比37.7%増の113万台で過去最高を更新し、同時期の売上高も前年同期比24.0%増の2011億2500万元(約4兆3200億円)で初めて四半期売上高が2000億元を超えたと紹介。
その上で、BYDの販売記録更新はトヨタの「コスト+効率」モデルの勝利を裏付けるものだとし、王伝福(ワン・チュワンフー)董事長がトヨタを師と仰ぎ、研究開発から生産までトヨタから学んできたことを指摘。トヨタ生産方式(TPS)は、低コスト、高効率、高品質を目指し、ジャスト・イン・タイム生産(JIT)、自働化(単に人を機械に置き換えるのではなく、人と機械の最適な組み合わせを重視する)を柱とし、「カイゼン」を基本としていると説明し、BYDは「トヨタ方式」をそっくりそのまままねるのではなく、「新マンパワー戦略」を提唱してコスト、技術、効率優先の目標を追い求めてきたとした。
また、両社は垂直統合生産方式の代表であり、BYDは新エネルギー車の「三大コンポーネント」について電池、モーターを弗迪電池(FDB)に、電子制御を弗迪動力に生産させているほか、熱管理、シャーシを弗迪科技に委託し、BYD自身は半導体の開発を進めていると紹介。さらに、両社は製品や競争戦略の面でも非常によく似ているとし、トヨタが1930~40年代にクライスラーのエアフローやフォルクスワーゲン・ビートルを模倣するところから始まり、徐々に独自のスタイルを形成してファミリーカーや手頃な価格の車を作り続けたのに対し、BYDもトヨタのカローラの模倣からスタートし、「パクリ」との誹りを受けながらも研さんを積み、ついには独自の設計や技術を実現するに至ったと紹介した。
記事は、王氏が2007年に「15年までに中国トップの自動車メーカーになり、25年までにトヨタを抜いて世界一になる」という構想を語っていたことを紹介。現在、BYDは新エネ車の分野では掛け値なしで世界一となったものの、自動車全体において「師」であるトヨタを追い抜くにはまだまだ時間が必要だと評した。(編集・翻訳/川尻)