中国外交部が1日、「中国人と外国人の往来の便宜を増進するため、ビザなし入国適用国の範囲を拡大する」と発表した。8日から韓国など9カ国の一般旅券所有者について、ビザ免除政策が施行される。
韓国が中国のビザ免除対象国となるのは1992年の国交正常化以来初めてだが、相互ビザ免除ではなく「中国側の一方的な措置」であることを記事は強調している。今回は来年12月31日までの期間限定の臨時措置だが、無期限に変わる可能性も高いという。現在、中国が一方的にビザ免除対象国としているのは29カ国に達する。
記事は、「今回の発表は韓国へ友好的なメッセージを送ったもの」だと説明している。今回、対象となったのは、韓国の他はノルウェー、フィンランド、デンマークなど欧州諸国で、日本は含まれていない。
中国は米大統領選挙を控え、年初から韓国との関係管理に力を入れており、その一環でビザ免除を発表したとみられるという。外交筋は「米大統領選のあと日米韓の結束が強まり、中韓の外交的距離が広がることを中国は懸念している」とし、年初から中韓がビザ免除の協議を行ってきたことを明らかにしている。
また、北朝鮮とロシアの軍事協力により、中朝関係が以前より悪化している中で、中国が韓国との関係改善を通じ、北朝鮮に警告のメッセージを送る必要もあったとみられるという。中韓首脳会談も、目的は関係改善だとも考えられるとしている。
さらに一部では、景気悪化が続く中国としては、海外からの投資と外国人の流入が必要なため、ビザ免除に踏み切ったとの見方もあるという。
今回の中国側の発表について、駐中国韓国大使館は「事前に連絡がなかった」と明らかにしている。
この記事に、韓国のネットユーザーからは「ビザ免除でもお金をくれても中国には行かないよ」「中国に行って写真を撮ったらスパイだと逮捕されて監禁されるかも」「ビザ免除だからとじゃんじゃん中国に行って、スパイ容疑でじゃんじゃん逮捕されるぞ」「要は『ビザ免除してやったから、そっちも門戸を開放しろ』ということでしょ」「韓国は絶対にビザ免除にしてはならない」「そもそも韓国政府を軽視してるから大使館にすら事前の連絡がないんだろうな」などの声が寄せられている。(翻訳・編集/麻江)