中国南西部の雲南省にある哀牢山でこのほど、「世界で最も神秘的な鳥」と称されるミミジロゴイが観察され、注目を集めています。ミミジロゴイは全世界で約1000羽しか生息していないジャイアントパンダよりも希少な動物であり、絶滅危惧種の鳥類30種の一つに指定されています。
李星志さんは哀牢山中の金山丫口と呼ばれる一帯を担当する鳥類標識調査モニタリングステーションの職員です。鳥類標識調査は、世界規模で渡り鳥を研究するための重要な方法であり、渡り鳥に標識をつけて追跡することで、移動の動態と規則を理解することができます。夜は、モニタリングステーションの職員たちの一日の中で最も忙しい時間帯です。彼らは渡り鳥の夜間移動や光に引き寄せられる飛び方の特性を利用して捕鳥ポイントを設定します。ステーションの職員8人は交代で夜間勤務を行って、常に網のそばに人がいるようにしています。
哀牢山は全世界でも重要な渡り鳥の移動ルートに位置し、その特殊な地理条件のため、毎年この時期には鳥が集まる場所になります。そのため、2004年にはこの場所に鳥類標識調査モニタリングステーションが正式に設置され、渡り鳥を捕獲して記録し、標識をつけて放鳥するなどの一連の作業を行っています。
李さんによると、職員は渡り鳥が移動する季節の毎年8月から12月にかけて、ステーションに泊まり込むとのことです。多い場合は1晩に100羽以上の鳥と出会い、少ない時には1羽もいないこともあります。李さんらにできるのは待ち続けることだけです。今年の国慶節期間中には、職員がミミジロゴイに出会った時の映像を記録しました。