2024年11月4日、台湾メディアの自由時報は台湾と日本の朝食文化を比較するコラムを掲載し、両国の朝食事情について分析した。
記事は初めに、日本の街中で台湾のように路地にポツンとある「早餐店(朝食用の軽食店)」を見かけることがほとんどないことに言及し、その理由が「台湾の屋台文化や飲食文化の特色のせいであるほかに、日本と台湾の文化や制度上の違いにも関係している」と述べた。
そして、「台湾の共働き世帯の場合、夫婦や両親が出勤の準備で忙しく、家族に朝食の準備をする時間がないため、外で朝食を買って食べることしか選択肢がないことが、早餐店の普及を促した」と指摘。一方で、「日本は『男が外で稼ぎ、女が家を守る』といった昭和世代の考え方が受け継がれてきたこともあり、そのような家庭では家事を担当する母親に家族のための食事を準備する十分な時間があった。この習慣や考え方が現在、家の中で朝食を済ませてから出かけるという習慣として残っている」とした。
また、「日本の平均的な通学時間は台湾よりも余裕がある。部活動の朝練でもなければ、学生は午前8時40~50分に登校すればOKだ。午前7時半までに登校しなければならない台湾との時間差を比較しても、子どもたちに朝食を準備する余裕ができやすい」と指摘した一方で、「日本も台湾と同じでコンビニの密度が高く、独身で一人暮らしをしている人や朝食を準備する時間がない人は会社の近くのコンビニで朝食を買うか、前日の帰宅時に翌日の朝食を買い置きしておいて、会社に急ぐ手間を省いたりしている」と伝えた。
記事は、日本と台湾の朝食のメニューについて、「台湾で一般的な朝食といえば、焼餅(シャオビン)、油条(中華式揚げパン)、蛋餅(ダンビン。台湾のクレープ)などだが、日本の場合はどうだろう?家族が準備する朝食なら、納豆、ベーコン、スクランブルエッグ、厚焼き玉子、焼き鮭、ソーセージ、梅干し、みそ汁といったメニューが多いが、コンビニで買う場合は、おにぎり、パン、肉まん、サンドイッチ、ドーナツなどが多いようだ」と紹介した。
そして、「日本と台湾の朝食文化や習慣には大きな違いがある一方で、同じ点もあるし、互いの飲食文化をうらやましいと思うところもある。例えば台湾人は日本の朝食のおかずのバラエティーの多さをうらやましいと感じることがあり、日本人は台湾人がおいしい朝食の店を見つけるのをうらやましいとも感じているようだ。だが人の好みはさまざまだ。皆さんはどのような朝食文化が好みだろう?」と問い掛けた。