中国・広東省珠海市で自動車が暴走した事件をめぐり、台湾メディアの自由時報は13日、再び「五失人員」に注目が集まっていると報じた。
11日午後7時48分ごろ、同市のスポーツセンターで散歩やランニングをしていた人々に自動車が突っ込み、35人が死亡、43人が負傷した。
自由時報の記事はドイツ国際放送局ドイチェ・ヴェレの報道を引用し、当局が発表した犯人の動機について中国のネット上では「犯人はまだ昏睡状態らしいが、それで動機が分かるのか?」「責任を持って発言せよ。しっかりと調査したのか?」といった疑問の声が上がっていることを伝えた。また、産経新聞の報道として、この事件を報じていたNHK海外放送が一部遮断され「信号異常」を示す画面に切り替わったことを伝えた。
さらに、米ボイス・オブ・アメリカが「経済が低迷していることで、中国では最近、社会報復型の暴力事件が頻発している。主な方法は自動車で人をはねたり、刃物で切り付けたりするもので、無差別、特に児童・生徒などの弱者を狙っている」とした上で、「『五失人員』の急速な増加による危険性を浮き彫りにした」と指摘したことを伝えている。
「五失人員」の「五失」とは、投資の失敗、生活における失意、人間関係の調和の喪失、心理的なバランスの喪失、精神失調を指す。今年3月19日には遼寧省と浙江省で自動車を運転して意図的に人々に突っ込む事件が起きているほか、6~10月に長春、蘇州、深セン、上海などの都市で刃物による襲撃事件が起きており、日本人の死傷者も出ている。
自由時報の記事は専門家の分析として、「社会報復型の事件の背景として『五失人員』が特に注目されている。経済発展の鈍化、貧富の格差の拡大、社会階層の上流への移動の停滞などにより、『五失人員』の心理的圧力はかつてないほどに増大している」と指摘。「『五失人員』の規模は億単位で、すべての中国人がこの五つのいずれかに該当するか、あるいは複数を兼ねている可能性もある。