2024年12月9日、韓国・イーデイリーによると、戒厳令の宣布を糾弾し、尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領の退陣を求めるデモが国会のあるソウル・汝矣島で連日行われている。若者が多数参加していることでデモの現場に「新たな文化と風景」が登場しているという。
記事によると、全国民主労働組合総連盟(民主労総)などの主催者団体は7日午後3時から、国会前でデモを行った。主催者側は「予想をはるかに上回る約100万人が集まった」と発表した。
記事は「今回のデモで目を引いたのは、MZ世代(1980年代後半から2000年代生まれ)のデモ文化」とし、「過去には手にろうそくを持つことが弾劾デモの代表的な姿だったが、今回のデモではアイドルのコンサートで使われるペンライトやLEDカチューシャを持つ若者らの姿が多数目撃された」と説明している。
若者らは、2NE1や少女時代など人気アイドルグループの歌に合わせてペンライトを振り、デモを積極的に盛り上げた。デモに参加した20代女性は「こうしたデモ文化がむしろデモへの参加をより一層促す」「過激なデモよりはるかに安全だ」などと話した。別の20代女性は「朴槿恵(パク・クネ)元大統領の弾劾デモのときはろうそくを持って参加したが、たびたび火が消えて不便だったので今回はペンライトを持ってきた」「冬の風にも負けない私たちの心を見せたかった」などと話したという。
また、デモに直接参加できない人が「せめて物質的にでも参加者らを支援したい」との思いから国会周辺の飲食店で事前に支払いを済ませておくケースも見られた。SNSには、国会近くのカフェやパン屋などで飲食代を代わりに支払っておいたというメッセージが多数寄せられた。例えば「〇〇カフェでベーグル・クリームチーズ・コーヒーのセット40人分の料金を支払っておいたので、〇〇の名前を伝えて受け取ってください」といった内容で、そのメニューもクッパやキムチチゲなど多岐にわたったという。
この記事を見た韓国のネットユーザーからは「国民の心は一つ。若者に感謝。そしてこんな時代を過ごさせてしまったことが申し訳ない」「新たなデモ文化が定着したようでうれしい。
一方で「政治に関心はなく、デモを祭りと考える人が多いようだ。彼らの表情を見ると、ただ楽しむために来た表情をしている」「デモは遊びじゃない。国を心配しているとは到底思えない。軽くて哲学を持たない最近の若者が心配だ」との声も見られた。(翻訳・編集/堂本)