台湾人にとって日本は最大の海外旅行先だ。日本人にとっても台湾は人気の旅行先だが、新型コロナウイルス感染症発生前の2019年実績では、日本から台湾に渡航した人は延べ216万7952人で(外務省)、台湾から日本に渡航した人は延べ489万0600人だった(日本政府観光局)。
黄氏はまず、日本人はそもそも、海外旅行をあまりしないと指摘した。日本政府外務省によると、日本人に対して発行された有効なパスポートは2075万冊であり、日本の総人口を1億2000万人とすれば、日本人のパスポート保有率はわずか17%だ。一方で、人口約2300万人の台湾は、2020年時点で1400万冊以上のパスポートが発行されており、保有率は6割に達した。また、24年1-11月の日本の出国者は1182万人で、台湾の出国者は1~10月だけで1412万人を超えた。
黄氏は、日本人があまり海外旅行をしない理由について、連休が多くないことや言語の壁、海外旅行の費用は割高になることを挙げた上で、最大の理由は日本の国内旅行が、交通の便利さ、おいしい食べ物、衛生的な環境といった面で長所が多いからと主張した。黄氏は結論として「日本人は旅行しないのではなく、海外旅行を必要としない。日本の国内旅行が素晴らしいからだ」と論じた。
黄氏は台湾人の海外旅行が多い理由として、台湾から近い国が多く、費用も安いからと主張した。台湾人の海外旅行の旅先の8割はアジアで、うち日本は35.6%、中国大陸部は16.3%、韓国は8.5%、ベトナムは7.4%、香港は7.1%、タイは6.6%という。
黄氏は台湾が日本人観光客を呼び込む「起死回生の策」として、食べ物がより美味で、より楽しく遊べ、きわめて風光明媚で、より安価で、宿泊施設がより清潔で、交通がより便利な状況を実現して、日本人の間に「台湾に行きたい」という気持ちをかきたてる必要があると論じた。
黄氏の投稿に対しては「その通り。国内(台湾内)の旅行は日本への観光旅行より費用がちょっと安いだけ」「台湾旅行では交通のシームレス化が不足している。個人旅行にフレンドリーではない」「台湾の観光業は遅れている。政府からの補助金を得ようとばかりする。悪貨が良貨を駆逐する状況だ。費用についても、日本に行く方が台湾旅行より価値がある」といったコメントが寄せられた。(翻訳・編集/如月隼人)